「 私…私。先生に言いました。」

震えた声。
小さい声。


どんな声でもよかった。

先生に聞こえてるなら。


「 何て?」




「 遅れてすいません。
お願いします…って!」


「 ……。」


先生は黙って、私たちの間には沈黙が流れる。





「 俺、聞こえんだ。
もう一回言え。 」


もう一回、か…

めんどくさいけど、仕方ないか。




さっきよりも声は落ちついていた。



「 遅れてすいませんでした。
お願いします!」


私が頭を下げると、

「 おぅ。」って…


小さな声だった。