それからヒロからの連絡はなかった。



___そして12月24日。



たくさんの人にとって24日はクリスマスイブ。



だけど私にとって 24日は


...........圭ちゃんが私の前からいなくなった日。






私はひとり圭ちゃんのお墓へと向かった。




圭ちゃんのお墓には綺麗な花が供えてあった。




...それは前もその前に来たときも供えてあった。




圭ちゃんはとっても素敵な人だから
きっとたくさんの人が慕っていたのだろう。





私は手を合わせた。




_圭ちゃん、圭ちゃんと会えなくなって


もう3年が経つね。


圭ちゃんは寂しい?


私は寂しくて堪らないです。


あいたいよ...圭ちゃん。





私は少し経って立ち上がった。



「...またね、 圭ちゃん。」



私はそう言って歩きだした。



すると...



「....ルイ。」



急に私を呼ぶ声が聞こえてきた。



声のした方へ振り向くと、 そこには



..........ヒロの姿があった。


いつもはラフな格好のヒロなのに
今日は落ち着いた服を着こなしている。



「......な...なんでここに...」



「.....なんでだと思う?」



そうヒロは首を傾げた。



「.............」



するとヒロはフッと口許を緩めて言った。



「.....圭太の墓参りに来た。」



「.........え...」



圭太は圭ちゃんの名前。

私はもう頭が理解できなくて、 言葉がでない。



「.......ハハッ...そりゃ、 驚くよな…」



そう言って私に近付いてくる。



「なぁ、 とりあえずここじゃなんだし...
俺ん家で話さない?」



私は黙ったまま小さく頷いてみせた。


行こう。と言って歩きだしたヒロについていく。




乗った車の中は終始無言だった。




ヒロの部屋へ入り、私達は並ぶようにソファに座った。




そして、少しの沈黙が続いたあと。



「......俺、実はお前の.....ルイの事、 知ってた。」



そう切り出したヒロは話始めた。



「....圭太は俺の親友だった。だから圭太からよくお前の話聞いたことがあったんだ...でも歩道橋の上で会う前に二度、 俺、 お前と会ったんだぜ...?」


知らなかったろ?と伏せ目がちに笑ったヒロ。



「.....いつ?」


私は全く知らないことだらけだ。



「.....一回目は映画館で、俺は大学のやつらと来てて、 その時に圭太とお前がいて。圭太と俺、 普通に話してたんだぜ。」



確かに圭ちゃんと映画館へ行ったいつかに、 圭ちゃんの大学の友達と偶然会った覚えがある。

でもまさか、 そこにヒロがいたなんて...



「二回目は.......」


そう言ってヒロは下を向いてしまった。