それからヒロがシャワーを
浴びている間に、私は部屋をでた。
もう二度と会うことはない。
そう思っていたのに一週間ぐらい経ったある日。
夜の町をボーッとあてもなく歩いていて
いつのまにかあの歩道橋の上にいた時。
_知らない番号からの電話がなった。
私は出ずに携帯をポケットにしまった。
それでもなかなか切れない電話に
舌打ちをひとつして電話にでた。
「.....誰?」
「 俺、ヒロ。お前、出るのおせぇよ。」
「なんで、あんたが私の携帯知ってるわけ。」
「さぁ、なんでだろうね?」
そう言って電話ごしに笑ってるのがわかる。
どうせ、私が寝てる間に勝手にやったのだろう
私はそれ以上言うのをやめた。
「今、どこにいんの?」
「...........」
「おぃ。無視すんなよ。どこ?」
「...........」
私はしつこく聞いてくるヒロに
うんざりして場所を言った。
すると、わかった。と言って電話が切れた。
15分くらいたった頃、私の横にきたヒロ。
「よぉ。」
「............」
「.........また無視かよ…」
そうヒロが言った瞬間、今までボーッと下を走る車を
見ていた私の視界いっぱいにヒロの顔。
重なる唇、かすかに香る煙草の匂い。
「.....なにしてんの?」
「...さぁ。」
そう言って顔を離したヒロ。
「なぁ飯食わねぇ?」
「......いいよ....あんたの奢りね。」
私がそう言うとヒロは溜め息をはくと
ハイハイと言って歩きだした。
そして、居酒屋へ行って食べるだけ食べた私達。
「なぁ...今からどこ行く?」
そう言って私の前を歩くヒロ。
「ぃいよ。どこでも。」
「....ふ~ん...」
そう言って少し黙ったヒロはタクシーを
停めて、私を先に乗せて自分も乗った。
着いたのはヒロの家。
そして部屋に入るなりヒロにベッドへと
押し倒されて私達は二度目の夜を過ごした。
それからは、ご飯を食べたりお酒を飲んだり
ふざけたりキスをしたり抱き合ったり。
__そんな関係が続いた。