「.....ハァハァハァ」



走ったせいで息がうまく吸い込めない。




悲しさからなのか、苦しさからなのか、


もう訳のわからない涙が溢れてどうしようもない。




「.....圭ちゃんっ......圭ちゃんっ....会ぃたいよぉ...」



どんなに圭ちゃんと呼んでも

優しく笑って『どうした?るい。』って

言ってくれた圭ちゃんはもういない。





__ブーッブーッブーッ。



ポケットに入っている携帯が鳴る。




私はそれを取りだし、震える手で通話ボタンを押した




「...ルイっ!お前...今どこだ?起きたらもうお前いないしっ...あんな状態でひとりでどっかに行くなよっ!」



いつも余裕なヒロの初めて聞く焦った声。



「....ごっ....めん....」



「.....お前....泣いてんのか...?」



「....ぅう...ん。」



きっと泣いているのはバレバレなのに
それでも私は否定した。



「........どこだ?今どこにいんだよっ?」



「.....ごめんっ...ね。....大丈夫...だから。」



そう言って私は電話を切った。




そして、私はその場にまたしゃがみこんだ。



もうきっと周りも気にせず
私は大きな声で泣いていただろう。




「......おぃ!」



私は電話を切り忘れたいたのかと携帯を見ると



「...こっちだよ!」



そう言って私の目の前に現れたヒロ。



「......全然大丈夫じゃねぇじゃん。」



「.....関係なぃでしょ....」



「......関係なくねぇ..」



「......意味わかんない…ほっといてよっ!」



私はそう言って立ち上がりヒロから逃げるようにして、歩き始めた。



「.....ほっとけねぇよっ....
ほっといたら.....お前死んじまうだろ.....?」



そう言って私の腕を掴んできたヒロ。




「....だから.....関係ないっ.....」



そんなヒロの腕を振り払った。







その瞬間、私の目の前には歩道橋の階段があって



気付いた時には遅くて



落ちると思って私は目を瞑った。



それと同時に私の名を呼ぶヒロの声を聞いた。











私は階段から落ちた。




__あぁ 私は死ぬんだ。


圭ちゃん待っててね。今そっちにいくから。










落ちている時に痛みは感じなかった。




私はバカだから気付かなかったんだ。

















__ヒロが私を包むようにして階段から落ちたことを