あなたの恋を描かせて





「葵の口から直接聞いた方がいいと思ったけど、これ以上ややこしくなるのは面倒だし……
浅葱くんから話してくれない?」



葵との関係、と最後に言われて、胸が苦しくなる。



どうしてわざわざそんなことを聞かないといけないんだ……


俺はもう、ちゃんと諦めるのに。


でも、今止めをさすのはやめてほしい。


自分でも往生際が悪いとは思う。


赤崎さんを目の前にそんなことは言えないけど。



「話すって、意味ありますか?というか知ってるんじゃ……」


「それがこのバカ知らないの。
だから浅葱くんと葵がくっつけばいいなんてこと言うのよ」


「えっ?」



こちらを見た浅葱の目は驚きに満ちていて。


俺は首を傾げた。



「……なるほど」



だったらさっきの話も辻褄があいますね、と納得した様子で赤崎さんと話す浅葱。



……ますます意味が分からない。


颯を見ると、困ったような顔で笑いながらも二人の話に頷いていて。


どうやら意味が分かっていないのは俺だけらしい。



「じゃあまず改めて自己紹介しますけど、オレの名前は水無瀬 浅葱」


「水無瀬?」



そうです、と浅葱は頷く。




「葵は、オレの双子の姉です」




言葉が、頭を通り過ぎた。



「………双子?」


「はい」



多分、今の俺はかなりの間抜け面をしていると思う。


つまり、俺は……



「日向はとんでもない誤解をしてたってわけ」


「その挙げ句、浅葱くんに勝手にヤキモチ妬いちゃって、ねぇ」


「うわ………」



かなり、恥ずかしい。


それはもう火が出そうなほどに。


自分の顔が熱くて片手で顔を覆うがあまり効果はなかったらしい。


遠慮なく笑う颯と赤崎さんを軽く睨んだ。



はぁ……弟に嫉妬してあんなことするなんて、余裕無さすぎだろ、俺。