あなたの恋を描かせて





ちゃんと話した方がいいから、と俺と浅葱……は向かい合って座っている。


赤崎さんと颯は俺の後ろの席。


俺的には颯たちもいてくれた方が嬉しいんだけど……


あまりよく状況の分かっていない颯に、赤崎さんが説明している。



注文されたコーヒーが運ばれてしばらくすると、浅葱があの、と口を開いた。



「まず、自己紹介、なんですけど……
オレのこと知ってますか?」


「……浅葱、だよね。水無瀬さんが言ってた」



思い出すだけでも嫌な気持ちになる。


ついでに昨日のことも思い出してしまうから、自分に対しても嫌になる。



「知ってるなら話は早いですね。オレのことは面倒なので浅葱でいいです」



面倒ってなんだ。


少し疑問に思ったけど、まぁ聞くほどのものでもないと思う。



「城越さんの名前、聞いてもいいですか?」



名字しか知らないんで、と言われて名前を教える。


俺も浅葱の名字知らないんだけどな。


特に知りたいとも思わないけど。



「単刀直入に言うと、葵に会ってくれませんか?」



葵……水無瀬さんの名前。


お互いを名前で呼ぶぐらい親しいと、見せつけられたみたいで胸の中が黒く染まる。



「あ、葵は熱だしてるんで今とは言わないですけど」


「水無瀬さん、熱だしたの?」


「はい」



やっぱり、昨日のが原因で……



「ちょっと高いですけど、今週中には治ると思いますよ」


「そう……」



ほっとしてコーヒーを一口含む。


少しだけ冷静になった頭で目の前の浅葱を見つめる。



「……俺に、水無瀬さんに会えっていうのはどうして?」