重い気持ちの中学校に向かった。



水無瀬さんに、謝ることができるのか……


まず話すことができるかどうかも疑問だ。


考えてもどうしようもないと思うのに、頭の中はそのことでいっぱいで。



「はぁ……」



ため息がもれるのも仕方ないと思う。



「おはよ、日向」


「おはよ」



よく眠れたか?と聞かれたので曖昧に答えておく。


実を言うとあまり眠れてないし。



「そうだ。朝たまたま先生から聞いたんだけど、水無瀬さん今日休みだって」


「え……」



水無瀬さんが、休み……


何故?という疑問が浮かんだけど、内心ではほっとした。


まだ、ちゃんと普通に会える自信はないし。



「そういえば、昨日日向も濡れてたけど、何か関係あるの?」


「……あ」



もしかして……



「やっぱりあるのか」



はぁ、とため息をもらした颯に言葉が詰まった。


俺はすぐに風呂に入った、というか入れされられたから大丈夫だったけど。


もしかして水無瀬さんは……



「あんまり深刻に考えるなよ?」



ポン、と颯は俺の肩を叩いて席に戻った。


でも、水無瀬さんが休む理由なんてそれしか考えられないよな……



この日はずっと水無瀬さんのことで頭がいっぱいだった。





放課後、部活に行こうとしたとき教室のドアが大きな音をたてて開かれた。



「え、ちなつ?どうしたの?」



そこには赤崎さんがいて、俺と目があうと真っ直ぐこちらにやってきて一言。



「行くわよ」



…………え?



意味が分からず呆然としていると、ガシッと腕を掴まれて、ぐいぐい引っ張られる。



「ちょっ、俺、部活が……」



しかもカバンも教室……



「そんなのあたしが知ったこっちゃないわよ」



そのまま玄関に出ると校門には人だかりができていた。


しかも女子の。