「その子の髪ってどれぐらい?」



肩より長い?と聞くと頷いた浅葱。


……よし。



「浅葱、こっち来て」



浅葱の手を引いて連れてきたのは髪飾りのコーナー。



「これなら身に付けられるし、いいんじゃないかな?」



シュシュとかバレッタとか……学校のときでも普段でも使えるし。


どうかな?と振り返ってみると、浅葱はすでに真剣に向き合っていて。



まぁ、浅葱が気にいってくれたのならよしとしよう。


ちょっとは力になれたかな……?


浅葱の姿に密かに笑みをこぼすと、わたしも近くでヘアピンを見ていた。




あ、これかわいい。


わたしが手に取ったのは白とオレンジの花が付いているヘアピン。


二つセットになっていて、オレンジは花が一つ付いていて、白は小さな花とストーンが付いている。



なんだか、城越くんに好きって言われたあの絵に似てるなぁ……



「葵、これは……って、顔赤くない?」


「えっ!?あ、そんなことないよ!!」



慌ててピンを戻して浅葱のもとへ向かう。



「どれ?」



浅葱の持っていたのは、空色のバレッタ。


白い花と濃い青色の花が散らばっていて、上品な感じがする。



「うん、かわいいと思うよ!」


「そうか?」



安心したような顔になるけど、まだちょっと心配なのか、不安げな表情を見せる。



仕方ないなぁ……


わたしは浅葱のおでこをペチッと叩いた。


驚いたような浅葱にニッコリと笑いかける。



「ありきたりなことを言うけど、プレゼントなんて気持ちが一番だよ?

相手が、それも自分のことを好きって言ってくれている人が自分のために一生懸命考えて、選んでくれたってだけで嬉しいものなんだから」



特に女の子はね、と付け加える。



「そういうものか?」


「そういうものです」



自信満々に頷くわたしに、浅葱は吹き出した。