放課後になり、ちなつちゃんと少し話しているところに



「ちなつーっ!!」



と言う声が聞こえて振り向くと、扉のところにカバンを持った楠くんと城越くんがいた。



「どうしたの?」



ちなつちゃんも不思議そうにしている。


楠くんたちがこの教室に来るのは珍しいもんね。


わたしたちの方に来た楠くんは、どことなく楽しそう?



「今日さ、会議で部活なくなったじゃん?」


「あ、そうね」



朝、突然言われたんだよね。


お母さんに早く帰れるってメールしたら、今日は絵の教室の方に来てね、って言われちゃったな。


遠いのに……



「これから、四人で遊びに行かない?」



え?



「いいわね」



いち速く反応したのはちなつちゃん。



「日向も行くって」



わたしを見てニッコリと笑う楠くん。


城越くんも行くんだ……ちょっと行きたいな。



「葵は?」


「えっ、と……ちょっと待ってね」



お母さんに早く帰れるってメールしちゃったし。


一度聞いてみないと。



「……あれ?」


「どうしたの?」


「あ、なんでもないよ!」



不思議そうにするみんなに慌ててそう言う。


珍しい人からのメールだったから、ちょっとびっくりしちゃった。


メールを開いて内容を見てみる。



「……えぇっ!??」



ガタン、と椅子から立ち上がったわたしに、何っ!?とちなつちゃんの驚いた声が聞こえた。


でも今はそれどころじゃなくて。



慌てて窓を覗いてみる。


学校の校門に、何人かの女の子に囲まれた男の子が一人。