「何やってるのよ」
「ご、ごめん……」
わたし、動揺しすぎだよ……!!
ちょっと城越くんと関係があることだからって……
この調子じゃ、勘の鋭いちなつちゃんのことだからわたしと城越くんの間に何かあったってバレちゃう……!!
慌てて下に落ちたノートたちを拾う。
ちなつちゃんも仕方ない、というように拾ってくれて。
も、申し訳ない……
「はい」
「あ、ありがとう……」
ノートを受け取って机の中に入れる。
「それで、お昼のことなんだけど」
「あ、うん」
落ちついて、落ちついて……
あの日のことは、わたしと城越くんしか知らないんだから。
このまま普通にしていればバレない、はず。
「あたし、今日は颯と二人で食べるわね」
「え、」
「ちょっと二人きりで話したいことがあって」
ごめんね、と顔の前で手を合わすちなつちゃん。
「そうなんだ……」
それなら仕方ないよね。
じゃあ今日のお昼は一人かぁ……ちょっと寂しいな。
「だからね」
「うん」
「葵は城越と二人で食べたら?」
「………うん?」
"城越と二人で食べたら?"
城越くんと、二人……?
ええぇ〜〜〜っ!??
と叫びそうになるのを、ギリギリのところで飲み込む。
なっ、なんでちなつちゃんがそんなことを……っ?
「せっかくのチャンスでしょう?
これを機にもっと親睦を深めたら?」
「え、と……」
ど、どうしよう……
ちなつちゃんはただ、わたしのためを思ってそう言ってるのは分かるんだけど。
い、今の気持ちで城越くんとふっ、二人で会うのは自殺行為というかなんというか……


