君とあたしと携帯電話


「…え⁇」

瑠稀が目を見開く。

「あ、いや、ほら、電話もメールも全然…来ない、し…」

あたしの声はだんだんと小さくなった。

やば、また泣きそう。

耐えきれなくて俯くと、ぎゅっと抱きしめられた。瑠稀の匂いがした。

「俺ってさ、めっちゃガキなんだよね」

「へ⁇」

抱きしめてきてそんなことを言うから変な声が出た。

「雑誌でさ…押したら、引いてみろって…」

いや、ブツブツ言ってるけどちゃんと聞こえたからね⁇

「は⁉︎」

「や、だからやってみっかなー的な。なんか俺ばっかり好きな感じがしてさ…」

「あたし…」

あたし、瑠稀のことちゃんと好きだよ。
そう言おうと思ったけど、瑠稀を見上げた瞬間なんか恥ずかしくなった。