「三科さんちょっといいかな?」


1日の授業が全て終わり帰る支度をしていると
クラスの男子に声をかけられた。


「ん?なに?」


「あのさ、クラスでLINEを作ろうと思うんだけど
三科さんはLINEやってたりする?」


クラスのLINEか!
何かそういうのちょっと楽しそう。

そう思って、その男子に自分のLINEを教えた。


「ありがと!」と離れていく男子に「いえいえー」と言いながら見送った。



「和心!帰ろ!」


もう支度を終えて廊下に出ていた灯が私を呼ぶ。


「うん!」

急いで鞄を掴むと灯のあとを追った。



入学して一週間も満たない学校の帰り道は新鮮で、3年間でここに馴染むんだなーなんて考えていると


「ねぇ和心」


「んー?」


「私ね、今美沙に紹介された美沙の友達とLINEしてるんだ」


「え!そうなの?」


思ったより驚いた声が出た。

灯りは男嫌いだと自分で言っていたからだ。


大丈夫なのかな、とまず思った。