私のお父さんは5年前にこの世を去った。


その時お母さんはすっごく悲しい顔をした。


でも私の前では泣き顔を一切見せることはなかった。


多分私の知らないところでたっくさんたっくさん泣いていたんだと思う…


「ごめんなさい…お母さん…」


申し訳ない気持ちでいっぱいで…


お父さんのことがあってからもうお母さんを悲しい顔にしないって決めたのに…


自分で決めたこと…守れなかった…


自分が情けなくなってきちゃった。


でもお母さんは


「大丈夫よっ♪だってほらっ!手術!すれば治るんでしょ?」


ほら…こんな風に明るく言う…


「そ、そうだよ!治るのっ!!だからね…私頑張るよ♪」


美沙のためにも…頼のためにも…お母さんのためにも…


そして…亡きお父さんのためにも…


お父さんが最後に口にした言葉…