『もう大丈夫だよ。ほら』



小さな小さな少女に差し伸べられた,大きな優しい手。



美『ままと……ぱぱと……にぃに』




『……っ……それは』



目の前の男は,悔しそうに顔を歪ませている。




死んじゃった…………。




美夢は,そう感じた。



『大丈夫。今日からは,俺たちが君の家族だよ』




美『……………』




何も感じなかった。




家族ができた喜びも,家族を失った悲しみも,




人形と化した少女は,何も感じなかった。