突然、彼の大きな胸に抱かれて、
動揺してしまいました。
「ごめん」
ポツリと落とすように彼が呟きました。
「優をそんなに追い詰めてたこと、気づかなくてごめん」
声の優しさに反して
私を抱きしめる力が強くなって……
私は、速くなる心臓の鼓動が彼に聞こえていないか心配でした。
「ごめん」
彼のワイシャツに頭を押し付け、
彼の匂いに満たされていく感覚に浸っていました。
彼は、あったかくて、
彼の声を聞くだけで、
不思議と心が安らぎました。
「ありがとう」
「来てくれて、嬉しかった」
「当たり前だろ」
「彼女なんだから」
もう我慢できません。
堪えていた涙が、せきをきったように溢れだします。
「うっ…………ふぇ」
彼は一瞬驚いたような顔をしましたが、
さらに私を、強く抱きしめてくれました。
「良いよ」
「思いっきり泣いて」
