「ゆーう!」
俺がこんなに不安になってるときに、騒がしく横に座ってきた。
「なんだよ、剛。」
不機嫌そうな顔で、あからさまにその表情を出して気付けよって思ってる。
「んー?いいの?結衣ちゃん。」
何が?
俺の友達だったらそんなことを突っ込んでくるか、普通。
「なんで?」
「告られるんだよ?しかも、森に。あの、森!!」
森…森真。
結構モテているやつだ。
ひそかに、クラスで騒がれるタイプ。
気に入らない。
告白されるってだけでも不安なのに、あの森だなんて…
相手が悪すぎる。
「なに…?お前、結衣ちゃんのこと好きじゃねーの?」
クラスで、叫ぶなよ。
周りの視線が俺に集まる。
しかし、結衣たちがこっちを向いていないことを考えると結衣たちまで聞こえていないらしい。
俺が黙って下を向いていると、
「こっちこいよ。」
剛は、俺の手を引っ張って、廊下へ出て行った。

