「はい!」
そして彼女に『ミサンガ』を渡す。
「ふふ、ありがとう。」
そう言って彼女は『ミサンガ』を着ける。
「これでお揃いだね」
「お、おう……」
(うっわ~、俺が勝った『ミサンガ』をしてくれた。 それにこれっていわゆるペアルッ
クって奴じゃないのか? 凄っげえ嬉しい!)
「ねえ、勝負しない?」
「勝負って?」
「どっちが早く『ミサンガ』が切れるか」
「勝負か……いいぜ! やってやる!」
俺は自信満々に答える。
「おっ、さっすが~。それじゃあ、どっちが早く願いを叶えて『ミサンガ』が切れるか勝
負ね! 負けた方は勝ったほうの言う事何でも聞くってのはどう?」
「おっ、面白そうだな。よし、その勝負乗ったぜ!」
「それじゃ、よ~い、スタート!」
こうして俺は『ミサンガ』がどっちが早く切れるか勝負する事になった。
「ねえ、これで私達もう特別な関係だよね?」
「えっ? それって?」
「私達もう親友だよね?」
「えっ? 親友? あ、あぁ、そうだな」
俺は苦笑いする。
(何だ、親友か……)
「それじゃ、これからは名前で呼び合わない?」
「えっ? マジ?」
「ダメ?」
「いや、駄目じゃねえけど……」
「よし、それじゃ、決まり~」
こうして俺達は名前で呼び合う仲になった。友達より上の関係になったのは嬉しいけど
なんか複雑な気分だ。まあ、一歩前進って事か。そして俺達はお土産屋を後にする。
「なあ、小腹すかねえか?」
「あっ、そうだね。ねえ、私お弁当を作ってきたんだけど一緒に食べない?」
「えっ? マジ? ま、まあ別に俺は構わないぜ!」
(何で素直に食べたいって言えねえ~んだよ! 俺は?)
「本当? それじゃ、行こ」
そう言って俺達は近くのベンチに座った!
「ねえ、どう? おいしい?」
「う~ん? まあまあかな?」
(滅茶苦茶旨いのに、何で素直に旨いって言えねえ~んだ!)
「う~ん、そっか……」
彼女はあごに手を置き、うつむく。
(まずい、気を悪くさせちゃったかな。そりゃそうだよな。せっかく作ってきたものにケ
チつけられたら誰だって怒るよな。今からでも旨いって言わなきゃ……)
「あ、いや、その……」
「うん、私もそう思ってた。私の腕じゃまだまだお母さんには適わないからな~」
「そ、そっか……」
「ねえ、今度又作ったら味見してくれない?」
「えっ?」
「今度こそ絶対においしいって言わせてみせるんだから」
「ふっ! 俺を満足させられる料理を作れるかな?」
(って何で素直に慣れねえんだ? 俺は?)
「あ~、言ったな! 今度こそ絶対においしいって言わせてみせるんだから」
(いや、もう十分においしんだけど……)
そして閉園時間になる。
「今日は誘ってくれてありがとう!」
「いや~、そんなたいした事はしてねえよ。それより息抜きになったか?」
「うん! とっても楽しかった! 又、機会があったら誘ってね?」
「ま、まあ……気が向いたらな」
「うん、待ってる! それじゃあねバイバイ!」
彼女は手を振って帰っていった。
「又って事は、又誘ってもいいって事だよな? よ、よし、次こそは絶対に成功させてみ
せるぞ!」
そして俺も自宅に帰った。
それから俺は彼女に毎日のように会いに行った。そして数日後。
「はあ~」
彼女が大きなため息をつく。
「どうした? 大きなため息をついて?」
「あっ、ごめんね心配かけちゃって」
「別にいいけどよ、悩みがあるなら何でも聞くぜ?」
「本当? それじゃあ思い切って話すね。最近私ついてないなあ~って思って。この前シ
ョッピングしてたら、欲しい服があったから、レジに持っていたの。でも店員さん同士話
し続けてて、結局欲しい服が買えなかったの。それに行列に並んでたら順番抜かしされる
し、私ってそんなに存在感薄いかな?」
「そんな事ねえよ。それはそいつらが悪いわけだし、俺だったら『凪』がどこにいてもす
ぐに分かるよ」
「ふふ、ありがとう」
彼女はニッコリと微笑む。
(っていっても何で皆彼女を無視するんだ? わっかんねな~? それに彼女も結構落ち
込んでるみたいだしどうすっかな? 何か彼女を元気付ける方法はないかな? そうだ、
よし)
「な、なあもし良かったら今度二人で買い物でも行かねえか?」
俺は思い切って彼女を誘ってみる。
「えっ?」
彼女は不意な質問に戸惑っている。
「ほ、ほら、欲しい服があるんだろう? 今度又そのお店に行って服を買いに行こう?」
「でも……」
「大丈夫だって! 今度店員が無視しても俺が服を買ってきてやるからさ」
「本当?」
「あぁ、だからさ今度一緒に出かけようぜ?」
「うん!」
彼女は力一杯頷く。
そして週末、俺は彼女と一緒に買い物に出かけた。そして俺達は彼女が無視された店に
向かった。
「この店?」
「うん、そう」
彼女は小声で答える。そして店をまわる事数分。
「欲しいものあった?」
「うん。あっ、それじゃこれ買って来るね」
そう言って彼女は店員のもとへ行く。しばらくして彼女は戻ってきた。
「どうだった?」
彼女は首を横に振る。
「そっか……それじゃ俺が買ってくるよ」
そう言って俺は彼女が欲しがっている服を持ってレジに行く。
「どうだった?」
彼女は不安そうに聞く。
「おう、バッチリ!」
そう言って俺は買った服を彼女に渡す。
「店員さんに『プレゼント』ですか? と聞かれて包装までしてもらったよ」
「ありがとう」
彼女は包装されている服をぎゅっと抱きしめる。
「それじゃ、他の場所に行こっか?」
「うん、そうだね」
そして俺達は別の場所に移動する。
「なあ、あれから何か思い出した事あるか?」
「ううん。なあ~んにも」
「そっか……そう言えば記憶をなくす前の最後の記憶って?」
「え~っとね、確か最後に行った合宿所だったかな? 合宿最後の日に何かの事故に巻き
込まれて気がついたら病室だったの。だから何があったのか全く覚えてないの」
「そっか、なあその合宿所ってどの辺にあったか覚えてる?」
「うん。ここからだとちょっと遠いかな」
そう言って彼女は合宿所がある場所を教えてくれた。
「確かに遠いな」
(本当なら彼女を連れて行けば何か思い出してくれるかもしれないけど、日帰りで帰って
これる距離じゃないしな~。かといって旅館をとるような余裕はねえしな~。何かいい方
法はねえかな?)
そして俺は何気なくポケットに手を入れる。すると一枚の紙切れが出てくる。
「ん? 何だこれ?」
それはさっき買い物したときに貰った福引券だった。
(確かこの先に福引所があったよな。どうすっかな?)
「あのさ、さっき服を買ったときに福引き券を貰ったんだけどさ、これやる?」
「そうなんだ。あっ、それじゃ『春人』が引きなよ」
「俺? 俺そんなにくじ運良くねえしな~」
「いいから、いいから」
そう言って彼女は強引に俺を連れて行く。
「はあ~、一杯並んでんな。まだ一等は出てねえみてえけど」
そして俺達の番が回ってきた。
「頑張れー!」
彼女は俺を力一杯応援する。
「いや、いや、そう簡単には出てねえって」
そして俺はゆっくりと回す。カラカラという音を立てて、玉が出る。そして俺がゆっく
りと目を開けると、そこには金色の玉が出ていた。
「これは?」
カランカラン! という鈴の音が鳴り響いた。
「おめでとうございます。一等の温泉宿泊チケットです」
「マジ?」
「やったね」
そして彼女に『ミサンガ』を渡す。
「ふふ、ありがとう。」
そう言って彼女は『ミサンガ』を着ける。
「これでお揃いだね」
「お、おう……」
(うっわ~、俺が勝った『ミサンガ』をしてくれた。 それにこれっていわゆるペアルッ
クって奴じゃないのか? 凄っげえ嬉しい!)
「ねえ、勝負しない?」
「勝負って?」
「どっちが早く『ミサンガ』が切れるか」
「勝負か……いいぜ! やってやる!」
俺は自信満々に答える。
「おっ、さっすが~。それじゃあ、どっちが早く願いを叶えて『ミサンガ』が切れるか勝
負ね! 負けた方は勝ったほうの言う事何でも聞くってのはどう?」
「おっ、面白そうだな。よし、その勝負乗ったぜ!」
「それじゃ、よ~い、スタート!」
こうして俺は『ミサンガ』がどっちが早く切れるか勝負する事になった。
「ねえ、これで私達もう特別な関係だよね?」
「えっ? それって?」
「私達もう親友だよね?」
「えっ? 親友? あ、あぁ、そうだな」
俺は苦笑いする。
(何だ、親友か……)
「それじゃ、これからは名前で呼び合わない?」
「えっ? マジ?」
「ダメ?」
「いや、駄目じゃねえけど……」
「よし、それじゃ、決まり~」
こうして俺達は名前で呼び合う仲になった。友達より上の関係になったのは嬉しいけど
なんか複雑な気分だ。まあ、一歩前進って事か。そして俺達はお土産屋を後にする。
「なあ、小腹すかねえか?」
「あっ、そうだね。ねえ、私お弁当を作ってきたんだけど一緒に食べない?」
「えっ? マジ? ま、まあ別に俺は構わないぜ!」
(何で素直に食べたいって言えねえ~んだよ! 俺は?)
「本当? それじゃ、行こ」
そう言って俺達は近くのベンチに座った!
「ねえ、どう? おいしい?」
「う~ん? まあまあかな?」
(滅茶苦茶旨いのに、何で素直に旨いって言えねえ~んだ!)
「う~ん、そっか……」
彼女はあごに手を置き、うつむく。
(まずい、気を悪くさせちゃったかな。そりゃそうだよな。せっかく作ってきたものにケ
チつけられたら誰だって怒るよな。今からでも旨いって言わなきゃ……)
「あ、いや、その……」
「うん、私もそう思ってた。私の腕じゃまだまだお母さんには適わないからな~」
「そ、そっか……」
「ねえ、今度又作ったら味見してくれない?」
「えっ?」
「今度こそ絶対においしいって言わせてみせるんだから」
「ふっ! 俺を満足させられる料理を作れるかな?」
(って何で素直に慣れねえんだ? 俺は?)
「あ~、言ったな! 今度こそ絶対においしいって言わせてみせるんだから」
(いや、もう十分においしんだけど……)
そして閉園時間になる。
「今日は誘ってくれてありがとう!」
「いや~、そんなたいした事はしてねえよ。それより息抜きになったか?」
「うん! とっても楽しかった! 又、機会があったら誘ってね?」
「ま、まあ……気が向いたらな」
「うん、待ってる! それじゃあねバイバイ!」
彼女は手を振って帰っていった。
「又って事は、又誘ってもいいって事だよな? よ、よし、次こそは絶対に成功させてみ
せるぞ!」
そして俺も自宅に帰った。
それから俺は彼女に毎日のように会いに行った。そして数日後。
「はあ~」
彼女が大きなため息をつく。
「どうした? 大きなため息をついて?」
「あっ、ごめんね心配かけちゃって」
「別にいいけどよ、悩みがあるなら何でも聞くぜ?」
「本当? それじゃあ思い切って話すね。最近私ついてないなあ~って思って。この前シ
ョッピングしてたら、欲しい服があったから、レジに持っていたの。でも店員さん同士話
し続けてて、結局欲しい服が買えなかったの。それに行列に並んでたら順番抜かしされる
し、私ってそんなに存在感薄いかな?」
「そんな事ねえよ。それはそいつらが悪いわけだし、俺だったら『凪』がどこにいてもす
ぐに分かるよ」
「ふふ、ありがとう」
彼女はニッコリと微笑む。
(っていっても何で皆彼女を無視するんだ? わっかんねな~? それに彼女も結構落ち
込んでるみたいだしどうすっかな? 何か彼女を元気付ける方法はないかな? そうだ、
よし)
「な、なあもし良かったら今度二人で買い物でも行かねえか?」
俺は思い切って彼女を誘ってみる。
「えっ?」
彼女は不意な質問に戸惑っている。
「ほ、ほら、欲しい服があるんだろう? 今度又そのお店に行って服を買いに行こう?」
「でも……」
「大丈夫だって! 今度店員が無視しても俺が服を買ってきてやるからさ」
「本当?」
「あぁ、だからさ今度一緒に出かけようぜ?」
「うん!」
彼女は力一杯頷く。
そして週末、俺は彼女と一緒に買い物に出かけた。そして俺達は彼女が無視された店に
向かった。
「この店?」
「うん、そう」
彼女は小声で答える。そして店をまわる事数分。
「欲しいものあった?」
「うん。あっ、それじゃこれ買って来るね」
そう言って彼女は店員のもとへ行く。しばらくして彼女は戻ってきた。
「どうだった?」
彼女は首を横に振る。
「そっか……それじゃ俺が買ってくるよ」
そう言って俺は彼女が欲しがっている服を持ってレジに行く。
「どうだった?」
彼女は不安そうに聞く。
「おう、バッチリ!」
そう言って俺は買った服を彼女に渡す。
「店員さんに『プレゼント』ですか? と聞かれて包装までしてもらったよ」
「ありがとう」
彼女は包装されている服をぎゅっと抱きしめる。
「それじゃ、他の場所に行こっか?」
「うん、そうだね」
そして俺達は別の場所に移動する。
「なあ、あれから何か思い出した事あるか?」
「ううん。なあ~んにも」
「そっか……そう言えば記憶をなくす前の最後の記憶って?」
「え~っとね、確か最後に行った合宿所だったかな? 合宿最後の日に何かの事故に巻き
込まれて気がついたら病室だったの。だから何があったのか全く覚えてないの」
「そっか、なあその合宿所ってどの辺にあったか覚えてる?」
「うん。ここからだとちょっと遠いかな」
そう言って彼女は合宿所がある場所を教えてくれた。
「確かに遠いな」
(本当なら彼女を連れて行けば何か思い出してくれるかもしれないけど、日帰りで帰って
これる距離じゃないしな~。かといって旅館をとるような余裕はねえしな~。何かいい方
法はねえかな?)
そして俺は何気なくポケットに手を入れる。すると一枚の紙切れが出てくる。
「ん? 何だこれ?」
それはさっき買い物したときに貰った福引券だった。
(確かこの先に福引所があったよな。どうすっかな?)
「あのさ、さっき服を買ったときに福引き券を貰ったんだけどさ、これやる?」
「そうなんだ。あっ、それじゃ『春人』が引きなよ」
「俺? 俺そんなにくじ運良くねえしな~」
「いいから、いいから」
そう言って彼女は強引に俺を連れて行く。
「はあ~、一杯並んでんな。まだ一等は出てねえみてえけど」
そして俺達の番が回ってきた。
「頑張れー!」
彼女は俺を力一杯応援する。
「いや、いや、そう簡単には出てねえって」
そして俺はゆっくりと回す。カラカラという音を立てて、玉が出る。そして俺がゆっく
りと目を開けると、そこには金色の玉が出ていた。
「これは?」
カランカラン! という鈴の音が鳴り響いた。
「おめでとうございます。一等の温泉宿泊チケットです」
「マジ?」
「やったね」
