俺はそれを聞いて愕然(がくぜん)とする。俺が彼女と初めて会ったのは約半年前。それ以前の記憶
が無いという事は、俺と初めて会った記憶を全て失くしてるという事だ。
「彼女の記憶はいつ頃戻りますか?」
「何とも言えないわね。一週間で戻るかもしれないし、一年後に戻るかもしれい。もしか
したら一生戻らないかもしれない」
俺はそれを聞いて頭が真っ白になる。
「面会謝絶って言ってたけれど、いつ頃彼女に会えますか?」
「彼女には当分会えないわよ」
「当分ってどれくらいですか?」
「会えるくらい元気になったら、学校にも登校するでしょう。それまでは我慢しなさい」
そして俺は打ちひしがれて自宅に帰った。
どうやって自宅に帰ったかは覚えていない。
そして彼女と会えない日が続く。
そして一ヵ月の月日が流れた。
彼女は無事退院し、学校に登校するようになった。
「『愛』、お久さ! 元気だった?」
一人の女性徒が彼女に駆け寄る。
「……ごめん……あなた誰? 私、覚えてないの……」
彼女が申し訳なさそうに言った。
「どうしたの『愛』? 私の事忘れちゃったの?」
「私事故のせいで記憶の一部が欠けたの……」
「ちょっと大丈夫なの?」
「生活するぶんには問題ないんだけど、ここ半年くらいの記憶が、抜けちゃったみたいな
の」
「そっか……記憶なくしちゃったんだ……」
女生徒は悲しそうに答える。
「元気だしなって! という事は、私の事は覚えてるよね? 小学校からの付き合いだも
ん」
『花咲』が彼女に尋ねる。
「うん……覚えてる……」
彼女はポツリと答える。
「それじゃ二年生になった頃の事、まるまる忘れちゃったんだ?」
「うん……」
「大丈夫だって! 一度友達になれたんだから又、友達になれるって」
「ありがとう……」
「それじゃ、こんな所で話し込んでないで教室に出発―!」
そう言って三人は教室に向かった。
そして俺は彼女を見つけ彼女のもとへ向かう。
「よお『愛』、久しぶり! 元気だった?」
俺は笑顔でそう尋ねた。
「何、又あんたなの。気安く名前で呼ばないでって言わなかった?」
強い口調で答える。
「あのさ……一緒に教室行かない?」
「行かない!」
そう言って彼女は俺の横を取りすぎる。
「ねえ、いいの? 『仁科』君、元気なかったよ?」
「『仁科』って誰?」
「えっ? 『愛』忘れちゃったの? 今『愛』に喋ってた人だよ」
「私とどういう関係?」
「『愛』、最近『仁科』君と付き合いだしたって楽しそうに話してたよ」
「私が? 冗談でしょ? 私、ああいういい加減な人好きになるわけないよ」
「う、うん……そう……だよね……」
そして教室に向かった。
そして昼休み、彼女と『花咲』が喋っている。
「何? 話って?」
「あのね、言おうかどうか迷ったんだけどやっぱり言うね」
『花咲』は真剣な眼差しで、彼女に駆け寄る。
「な……何? どうしたの『香織』?」
彼女は『花咲』の勢いに圧倒される。
「私、やっぱり『愛』は『仁科』君ともっと話し合うべきだと思う」
『花咲』はキッパリと答える。
「な……何で?」
「何でってそりゃ~、『仁科』君は『愛』が思っているようないい加減な人じゃないよ!
彼は真剣に『愛』の事を考えてるんだよ!」
「どうしてそんな事が言えるの?」
「だって『愛』が『仁科』君と付き合ってる時、凄く楽しそうだったから……」
『花咲』は切なそうな表情で答える。
「あなたもしかしてあいつの事が好きなの?」
「そんなわけないでしょ!」
『花咲』は力一杯否定する。
「そうじゃなくて! 私が言いたいのは、誰にも頼らなかった『愛』が『仁科』君と一緒
にいる時だけ、表情が和らいでて、『愛』が唯一、心を許してた人なの!」
『花咲』は力一杯答える。
「別に『仁科』君と付き合えって言ってるわけじゃないの! ただもう少し、『仁科』君
の事ちゃんと見てあげて。あんなに毎日毎日飽きもせず、お花を持ってきてくれる人は、
そうはいないわよ」
『花咲』は鼻息を荒げる。
「……そうだね……。それじゃ、考えてみる……。今度あいつが来たら、ちゃんと話して
みる」
彼女は『花咲』の勢いに気おされる。
「うん、それがいいわよ!」
『花咲』は彼女の手を取る。
「でも何で『香織』がそんなに必死になってくれるの?」
「それは……」
「それは?」
「恋話が好きだから!」
『花咲』は目を輝かせる。
「あっ、そう……」
そうして、二人は教室に戻った。
その日の夜、俺は自室のベットで考え込む。
「『愛』の奴、多分事故のショックで記憶を失っただけだよな? もしかしたら今までと
同じような事をしたら、思い出すよな」
そして俺は彼女と過ごした日の事を思い出しながら、再現する決意をする。
そして次の日、俺は花を持って彼女のもとへ駆け寄った。
「『愛』! 今日は『愛』にプレゼントを持ってきたんだ。じゃじゃ~ん!」
俺は持っていた花を彼女に渡す。
「花? 私、花って好きじゃないんだよね」
そして彼女は俺の横を通り過ぎる。
「なんか前より冷たくなってる?」
けれども俺はめげずに毎日毎日、彼女に花をプレゼントし続けた。
「『愛』、俺からのプレゼント受け取ってくれ!」
俺は持っていた花を彼女に差し出す。
「又? あんたいい加減に諦めようとは思わないの?」
「へへ~ん! 俺は絶対に諦めない! 『愛』が受け取ってくれるまで、毎日『愛』に花
を持ってくるよ」
「はあ~、呆れた。分かったわよ」
そう言って彼女は花を受け取った。
「おっ、一歩前進? って事は俺の事好きに……」
「好きにならないし、付き合いもしない!」
彼女はキッパリと答えた。
「だよな……。そう簡単にはいかねえよな……」
俺はガックリと肩を落として落ち込む。
「べ、別にそんなに落ち込む事ないじゃない」
彼女は俺を取り繕(つくろ)う。
「あ~、もう分かったわよ。一緒に登校してあげるから、そんなに落ち込まないの!」
「マジ? それじゃ、一緒に行こう」
そして俺は彼女と一緒に登校する。そして通学中、俺は彼女を楽しまそうと必死に頑張
る。
そして俺は彼女に記憶を取り戻して欲しい一身で彼女との思い出を語りだす。
「懐かしいよな。『愛』と初めてデートした時、『愛』中々来なくて焦ったよ。その時、
俺と『愛』と『白金』と『白金の彼女』の四人でWでーとしたんだよな」
「……覚えてない……」
「ほ、ほら……俺と『白金』がゴーカートで勝負した時、『白金』が華麗なスタートダッ
シュを決めて、ずっとリードしてて、最終コーナーで俺が勝負に出てさ、それで勢い余っ
て『白金』とぶつかって、二人でコースアウトして、その間に『愛』と『白金の彼女』が
俺達を抜いてゴールしたんだよな」
「ふ~ん」
彼女はそっぽを向く。
「あっ、確か『愛』って高い所苦手だったよな?」
「何で知ってんの?」
彼女は不思議そうな顔をする。
「何でって、ほら俺がバンジージャンプした時、『愛』高い所が怖くて一歩も動けなかっ
ただろう。それを見て『愛』にも可愛い所があるな~と思って」
俺は一刻も早く彼女に記憶を取り戻してもらうために、彼女の気持ちも考えずに今まで
の経緯を話す。
「そして次のデートの日、初めて二人っきりでデートしたよな。『愛』動物が物凄く好き
で可愛いかったな~。その後、『愛』が作ったお弁当が全然美味くなくて、それでも全部
俺が食べてさ、『愛』あの時結構怒ってたよな。そんでその後お化け屋敷に入って俺が幽
霊怖いのがばれてさ、あれはださかったな。そんで観覧車に乗った時、『愛』が俺に自分
の話をしてくれた時、メチャクチャ嬉しかったな~」
「……」
「その後『愛』が放課後俺を教室に呼び出した時、俺、凄っげえ~びっくりして、それで
『愛』の事どれくらい好きか尋ねて、俺がこんくらいって言って、思いっきり飛んで天井
に頭をぶつけて、それで『愛』が大笑いして俺と付き合ってもいいよって言ってくれた時
俺、死ぬほど嬉しかったんだ」
俺は笑って語る。
「……」
「『愛』……」
が無いという事は、俺と初めて会った記憶を全て失くしてるという事だ。
「彼女の記憶はいつ頃戻りますか?」
「何とも言えないわね。一週間で戻るかもしれないし、一年後に戻るかもしれい。もしか
したら一生戻らないかもしれない」
俺はそれを聞いて頭が真っ白になる。
「面会謝絶って言ってたけれど、いつ頃彼女に会えますか?」
「彼女には当分会えないわよ」
「当分ってどれくらいですか?」
「会えるくらい元気になったら、学校にも登校するでしょう。それまでは我慢しなさい」
そして俺は打ちひしがれて自宅に帰った。
どうやって自宅に帰ったかは覚えていない。
そして彼女と会えない日が続く。
そして一ヵ月の月日が流れた。
彼女は無事退院し、学校に登校するようになった。
「『愛』、お久さ! 元気だった?」
一人の女性徒が彼女に駆け寄る。
「……ごめん……あなた誰? 私、覚えてないの……」
彼女が申し訳なさそうに言った。
「どうしたの『愛』? 私の事忘れちゃったの?」
「私事故のせいで記憶の一部が欠けたの……」
「ちょっと大丈夫なの?」
「生活するぶんには問題ないんだけど、ここ半年くらいの記憶が、抜けちゃったみたいな
の」
「そっか……記憶なくしちゃったんだ……」
女生徒は悲しそうに答える。
「元気だしなって! という事は、私の事は覚えてるよね? 小学校からの付き合いだも
ん」
『花咲』が彼女に尋ねる。
「うん……覚えてる……」
彼女はポツリと答える。
「それじゃ二年生になった頃の事、まるまる忘れちゃったんだ?」
「うん……」
「大丈夫だって! 一度友達になれたんだから又、友達になれるって」
「ありがとう……」
「それじゃ、こんな所で話し込んでないで教室に出発―!」
そう言って三人は教室に向かった。
そして俺は彼女を見つけ彼女のもとへ向かう。
「よお『愛』、久しぶり! 元気だった?」
俺は笑顔でそう尋ねた。
「何、又あんたなの。気安く名前で呼ばないでって言わなかった?」
強い口調で答える。
「あのさ……一緒に教室行かない?」
「行かない!」
そう言って彼女は俺の横を取りすぎる。
「ねえ、いいの? 『仁科』君、元気なかったよ?」
「『仁科』って誰?」
「えっ? 『愛』忘れちゃったの? 今『愛』に喋ってた人だよ」
「私とどういう関係?」
「『愛』、最近『仁科』君と付き合いだしたって楽しそうに話してたよ」
「私が? 冗談でしょ? 私、ああいういい加減な人好きになるわけないよ」
「う、うん……そう……だよね……」
そして教室に向かった。
そして昼休み、彼女と『花咲』が喋っている。
「何? 話って?」
「あのね、言おうかどうか迷ったんだけどやっぱり言うね」
『花咲』は真剣な眼差しで、彼女に駆け寄る。
「な……何? どうしたの『香織』?」
彼女は『花咲』の勢いに圧倒される。
「私、やっぱり『愛』は『仁科』君ともっと話し合うべきだと思う」
『花咲』はキッパリと答える。
「な……何で?」
「何でってそりゃ~、『仁科』君は『愛』が思っているようないい加減な人じゃないよ!
彼は真剣に『愛』の事を考えてるんだよ!」
「どうしてそんな事が言えるの?」
「だって『愛』が『仁科』君と付き合ってる時、凄く楽しそうだったから……」
『花咲』は切なそうな表情で答える。
「あなたもしかしてあいつの事が好きなの?」
「そんなわけないでしょ!」
『花咲』は力一杯否定する。
「そうじゃなくて! 私が言いたいのは、誰にも頼らなかった『愛』が『仁科』君と一緒
にいる時だけ、表情が和らいでて、『愛』が唯一、心を許してた人なの!」
『花咲』は力一杯答える。
「別に『仁科』君と付き合えって言ってるわけじゃないの! ただもう少し、『仁科』君
の事ちゃんと見てあげて。あんなに毎日毎日飽きもせず、お花を持ってきてくれる人は、
そうはいないわよ」
『花咲』は鼻息を荒げる。
「……そうだね……。それじゃ、考えてみる……。今度あいつが来たら、ちゃんと話して
みる」
彼女は『花咲』の勢いに気おされる。
「うん、それがいいわよ!」
『花咲』は彼女の手を取る。
「でも何で『香織』がそんなに必死になってくれるの?」
「それは……」
「それは?」
「恋話が好きだから!」
『花咲』は目を輝かせる。
「あっ、そう……」
そうして、二人は教室に戻った。
その日の夜、俺は自室のベットで考え込む。
「『愛』の奴、多分事故のショックで記憶を失っただけだよな? もしかしたら今までと
同じような事をしたら、思い出すよな」
そして俺は彼女と過ごした日の事を思い出しながら、再現する決意をする。
そして次の日、俺は花を持って彼女のもとへ駆け寄った。
「『愛』! 今日は『愛』にプレゼントを持ってきたんだ。じゃじゃ~ん!」
俺は持っていた花を彼女に渡す。
「花? 私、花って好きじゃないんだよね」
そして彼女は俺の横を通り過ぎる。
「なんか前より冷たくなってる?」
けれども俺はめげずに毎日毎日、彼女に花をプレゼントし続けた。
「『愛』、俺からのプレゼント受け取ってくれ!」
俺は持っていた花を彼女に差し出す。
「又? あんたいい加減に諦めようとは思わないの?」
「へへ~ん! 俺は絶対に諦めない! 『愛』が受け取ってくれるまで、毎日『愛』に花
を持ってくるよ」
「はあ~、呆れた。分かったわよ」
そう言って彼女は花を受け取った。
「おっ、一歩前進? って事は俺の事好きに……」
「好きにならないし、付き合いもしない!」
彼女はキッパリと答えた。
「だよな……。そう簡単にはいかねえよな……」
俺はガックリと肩を落として落ち込む。
「べ、別にそんなに落ち込む事ないじゃない」
彼女は俺を取り繕(つくろ)う。
「あ~、もう分かったわよ。一緒に登校してあげるから、そんなに落ち込まないの!」
「マジ? それじゃ、一緒に行こう」
そして俺は彼女と一緒に登校する。そして通学中、俺は彼女を楽しまそうと必死に頑張
る。
そして俺は彼女に記憶を取り戻して欲しい一身で彼女との思い出を語りだす。
「懐かしいよな。『愛』と初めてデートした時、『愛』中々来なくて焦ったよ。その時、
俺と『愛』と『白金』と『白金の彼女』の四人でWでーとしたんだよな」
「……覚えてない……」
「ほ、ほら……俺と『白金』がゴーカートで勝負した時、『白金』が華麗なスタートダッ
シュを決めて、ずっとリードしてて、最終コーナーで俺が勝負に出てさ、それで勢い余っ
て『白金』とぶつかって、二人でコースアウトして、その間に『愛』と『白金の彼女』が
俺達を抜いてゴールしたんだよな」
「ふ~ん」
彼女はそっぽを向く。
「あっ、確か『愛』って高い所苦手だったよな?」
「何で知ってんの?」
彼女は不思議そうな顔をする。
「何でって、ほら俺がバンジージャンプした時、『愛』高い所が怖くて一歩も動けなかっ
ただろう。それを見て『愛』にも可愛い所があるな~と思って」
俺は一刻も早く彼女に記憶を取り戻してもらうために、彼女の気持ちも考えずに今まで
の経緯を話す。
「そして次のデートの日、初めて二人っきりでデートしたよな。『愛』動物が物凄く好き
で可愛いかったな~。その後、『愛』が作ったお弁当が全然美味くなくて、それでも全部
俺が食べてさ、『愛』あの時結構怒ってたよな。そんでその後お化け屋敷に入って俺が幽
霊怖いのがばれてさ、あれはださかったな。そんで観覧車に乗った時、『愛』が俺に自分
の話をしてくれた時、メチャクチャ嬉しかったな~」
「……」
「その後『愛』が放課後俺を教室に呼び出した時、俺、凄っげえ~びっくりして、それで
『愛』の事どれくらい好きか尋ねて、俺がこんくらいって言って、思いっきり飛んで天井
に頭をぶつけて、それで『愛』が大笑いして俺と付き合ってもいいよって言ってくれた時
俺、死ぬほど嬉しかったんだ」
俺は笑って語る。
「……」
「『愛』……」
