「『愛』をデートに誘うんだったら、動物のいる場所に誘ったら喜ぶと思うよ」
「そっか……分かった。ありがとう」
「くれぐれも私から聞いたって言わないでね?」
「何で?」
「私が言ったって分かったら、『愛』凄っごく怒るから」
「おう、分かった」
「それじゃあ、私はこれで」
「おう! サンキュウーな!」
そうして『花咲』と別れた。
「動物系か……よし。小遣いが貯まったら誘うぞー!」
そして俺は自宅に帰った。
それから二週間後、俺は彼女を誘うため、彼女を捜す。
「あっ、いた、いた! お~い! 『橘』!」
俺は彼女を呼び止める。
「『仁科』、何? 私に何か用?」
「今度の週末暇?」
「暇だけど、何で?」
「だったらさ、今度の日曜日に二人で出かけない?」
「ちょっと待って! 話が唐突過ぎるんだけど……」
「『橘』この前のデートの帰り際言ったろ? 又誘ってって。だからさ、今度二人で出か
けようぜ?」
「確かに言ったけどさ……覚えてたんだ……」
「当ったり前だろ! 俺、記憶力だけはいいんだぜ!」
俺は自信満々に答える。
「あれ、そうだっけ? その割にはテストの点あんまり良くなかったようだけど?」
『橘』は意地悪そうに答える。
「うっ……俺は自分の興味のある事だけ覚えるの!」
俺は図星をつかれ、誤魔化す。
「あ~、はい、はい。分かった、分かった。で、どこ行くの?」
「じゃじゃ~ん! 今度行く場所はここだ!」
そう言って俺は二枚のチケットを彼女に見せる。
「アニマルランド招待券?」
「へへ~ん! 凄っげえだろ? これ新聞配達のおばさんに貰ったんだ!」
俺は得意げに答える。
「へえ~」
そして彼女は感心する。
「『橘』って動物好きだろ?」
「べ……別に……動物なんか……す……好…きじゃないわよ……」
彼女は動揺する。
「えっ、そうなの? 何だよ……『橘』動物好きだって言うから譲って貰ったのに……」
俺は落ち込む。
「『橘』動物好きじゃなかったんだ……。それじゃ、これどうしようかな~? 『白金』
にでもやろっかな~?」
俺はチケットを切なそうに見ながら答える。
「あ~、ちょっと待って! 別に動物が嫌いってわけじゃないの」
「でも苦手なんだろ?」
「うっ、あ~もう分かったわよ。今のは冗談。本当は私、物凄く動物が好きなの!」
彼女はキッパリと答える。
「本当に? 俺に気を使ってない?」
「本当だってば。それに何で私があんたに気を使わなきゃならないの?」
「それもそっか……」
「それじゃ、今度の日曜日、一緒にアニメルランドに行こ?」
「おう!」
俺は力一杯答える。
「なんかあたしが誘ったみたいになってんだけど……」
「細かい事は気にしない、気にしない!」
「それ、あんたが言う?」
「あっ、じゃ待ち合わせ場所はこの前と同じで駅前の時計台の前十時に待ってる」
「分かった」
キ~ン~コ~ン~カ~ン~コ~ン! そして休み時間終了のベルが鳴る。
「それじゃあな」
俺は教室に戻った。
「はあ~、あいつの前じゃ隠し事出来ないな~」
彼女はため息をついて、教室に戻ってきた。
そして日曜日になり、俺は駅前の時計台の前に十時十分についた。
「遅い! 一体何分待たせるの?」
彼女は怒っている。
「ごめん、ごめん!」
俺は謝りながら彼女の前に立つ。
「何してたの?」
「それがさ、俺、昨日から楽しみで、楽しみで眠れなくてさ、時間ギリギリに起きて、出
かけようとしたら急に腹が痛くなって、急いでトイレに駆け込んで……」
「もういい! それ以上聞きたくない!」
彼女は眉間(みけん)にしわを寄せている。
「そう?」
俺は何で彼女が怒っているのか分からなかった。
「それより早く行きましょ?」
「おう、そうだな……」
そして俺達はアニメルランドに向かった。
「よし到着~! なあ『橘』、ライオン見に行こうぜ。ライオン」
「あっ、ちょっと待ってよ」
そして俺達はライオンのいる場所に走っていく。
「見てみろよ『橘』。ライオンだぜ、ライオン! 格好いいな~」
雄(おす)ライオンの髪はふさふさで、岩の上で横たわっており、こちらを見ている。
「そう? だって雄ライオンってさ、雌(めす)ライオンに狩に行かせて、自分は唯待ってるだけ
なのよ。百獣の王とか言われるくらいなんだからさ、自分一人で狩に行って雌に丸々一匹
獲物をプレゼントくらいしろっつうの」
彼女は愚痴を言う。
「あっ、じゃあさ、あっち行って見ようぜ?」
「あっ、こら」
そう言って俺は孔雀(くじゃく)のいる場所に走って行く。
「あっ、孔雀だ! 羽広げてる。綺麗だよな~?」
「えっ~と何々、孔雀が羽を広げるのは主に雄であり、羽を広げるという行動は、主に雌
に求愛するためである」
彼女は近くの看板を読む。
「うお~、あんなに綺麗に羽を広げてるのは、雄の方だったのか? 知らなかった~」
俺は感心する。
「んじゃ雌は?」
「あっち」
俺は彼女が指差す方を見る。
「なんか……地味だな……」
「大体雄の方が雌よりも綺麗ってどういう事なのよ?」
「人間で言えば、男が化粧するって事か」
「却下。そんなの絶対に嫌」
「案外面白いかもしれねえぞ」
「あんたが、そんな事したら、一生あんたとは口利かない」
彼女はキッパリと答える。
「え~、面白そうなのにな~」
そして俺達は次にペンギンを見に行く。
ペンギンはトコトコ歩いてるペンギンや、水の中を泳いでいるペンギンがいる。
「はあ~、可愛いな~」
彼女はペンギンを見て、うっとりしている。
「『橘』ってああいう小っこいのが好きなの?」
「当ったり前じゃな~い! ああいう小さい動物が一生懸命に動いている姿がたまらなく
好きなの!」
彼女は熱く語る。
「ふ~ん、そうなのか~。おっ、こっちにペンギンの説明が書いてある」
俺は看板に書かれている文字を読む。
「えっ~と何々、ペンギンの夫婦は生涯に一度しかパートナーを選ばない。二人寄り添っ
て卵を温める。一方が卵を温めている間、もう一方は飲まず食わずで、何日もパートナー
が帰ってくるのを唯ひたすらに待っている。へえ~、って事はペンギンは他のペンギンに
目移りしたり、浮気したり、再婚とかしないんだ」
俺は感心する。
「偉いよねペンギンは。生涯に唯一人の人しか愛さないなんて……」
彼女は切なそうに言った。
「なんかペンギンって俺みたいだな?」
「はあ~?」
「俺は『橘』以外好きにならないぜ」
俺は力一杯答える。
「……バカ……」
彼女はそっぽを向く。
そして十二時になり、小腹がすく。
「なあ、腹減らねえか? もう昼だからさ、何か食べねえ?」
「そう言うと思って、実はお弁当を作ってきたの。一緒に食べない?」
「えっ? もしかして手作り? 食う、食う!」
そして俺達は近くのベンチに座る。
「はい、どうぞ」
彼女が弁当箱を開けると、その中身は真っ黒いものや、何かベットリとしたもの等が、
敷き詰められていた。
「うっ、これ食えんのか?」
俺は思わず本音が出る。
「見た目はあれだけど、食べたら美味しいって」
「そ、そうか? それじゃいただきます……」
俺は恐る恐る手に取る。
「うっ、ええい!」
そして俺はパクっと一思いに一気に食べる。
「ねえ、どう? 美味しい?」
「……全然美味くない……」
俺は嘘がつけないので正直に答えた。
「そんなはずないよ」
そう言って彼女は、手に取り食べる。
「うっ、不味い……」
「だろ」
「あのさ……こういう時は嘘でも不味いなんて言わないんじゃない?」
「え~、だって俺嘘つけねえし、それともここはお世辞を言わなきゃいけないとこ?」
「もういい……」
そして俺は次の料理に手を伸ばす。
「別に無理して食べなくていいよ」
「大丈夫だって。別に美味くはねえけど、食べられねえ事ねえし」
「それ、結構傷つくんだけど……。まあ、あんたらしいけど……」
「へへ、そっか」
「褒めてない」
そして俺は彼女が持ってきた弁当をたいらげる。
そして昼食を終えて歩いていると、隣の遊園地が目に入る。
「ねえ、ここって動物園と遊園地が合体しているんだね」
「そうだな。なんなら行ってみる?」
「う~ん?」
彼女は考え込む。
「なっ、いいだろ? 行こうよ」
「あっ、ちょっと……」
俺は強引に彼女を隣の遊園地に連れて行く。
そして俺達は隣の遊園地にやって来た。
「やっぱ遊園地っていったら、ジェットコースターだよな」
「あんた、そればっかだね」
彼女は呆れる。
「だって好きなんだもん。なっ、いいから行こうぜ」
そう言って俺は彼女の手を取り、ジェットコースター乗り場に向かう。その途中、彼女
は足を止める。
「どうしたんだよ?」
「ねえ、あそこにあるのってお化け屋敷だよね?」
彼女が指差す方向には、薄暗く小さくただずんでいる小屋がポツンとある。
「あ、あぁ、そうみたいだけど、それがどうかした?」
「ねえ、入ってみない?」
「はあ? 何で?」
「だって面白そうなんだもん」
「あんなとこ入っても全然面白くないって」
俺は力一杯否定する。
「そう言えば、この前来た時も、あんたお化け屋敷をスルーしたよね? もしかして怖い
の?」
「そ、そんなはずねえだろ……」
俺は動揺する。それもそのはず、俺は小さい頃からお化けとか幽霊とかが、怖くて怖く
てたまらないのである。
「だったらさ、入ろうよ?」
「あっ、いや今日はちょっと……」
「やっぱり怖いんだ?」
「こ、怖くないって言ってんだろ」
俺は強がる。
「だったらさ、入ろうよ?」
「あっ、ちょっ……押すなって……」
俺は彼女に背中を押されながら、無理やりお化け屋敷の中に入らされた。
お化け屋敷の中は薄暗く、あちらこちらに仕掛けがある。
「そっか……分かった。ありがとう」
「くれぐれも私から聞いたって言わないでね?」
「何で?」
「私が言ったって分かったら、『愛』凄っごく怒るから」
「おう、分かった」
「それじゃあ、私はこれで」
「おう! サンキュウーな!」
そうして『花咲』と別れた。
「動物系か……よし。小遣いが貯まったら誘うぞー!」
そして俺は自宅に帰った。
それから二週間後、俺は彼女を誘うため、彼女を捜す。
「あっ、いた、いた! お~い! 『橘』!」
俺は彼女を呼び止める。
「『仁科』、何? 私に何か用?」
「今度の週末暇?」
「暇だけど、何で?」
「だったらさ、今度の日曜日に二人で出かけない?」
「ちょっと待って! 話が唐突過ぎるんだけど……」
「『橘』この前のデートの帰り際言ったろ? 又誘ってって。だからさ、今度二人で出か
けようぜ?」
「確かに言ったけどさ……覚えてたんだ……」
「当ったり前だろ! 俺、記憶力だけはいいんだぜ!」
俺は自信満々に答える。
「あれ、そうだっけ? その割にはテストの点あんまり良くなかったようだけど?」
『橘』は意地悪そうに答える。
「うっ……俺は自分の興味のある事だけ覚えるの!」
俺は図星をつかれ、誤魔化す。
「あ~、はい、はい。分かった、分かった。で、どこ行くの?」
「じゃじゃ~ん! 今度行く場所はここだ!」
そう言って俺は二枚のチケットを彼女に見せる。
「アニマルランド招待券?」
「へへ~ん! 凄っげえだろ? これ新聞配達のおばさんに貰ったんだ!」
俺は得意げに答える。
「へえ~」
そして彼女は感心する。
「『橘』って動物好きだろ?」
「べ……別に……動物なんか……す……好…きじゃないわよ……」
彼女は動揺する。
「えっ、そうなの? 何だよ……『橘』動物好きだって言うから譲って貰ったのに……」
俺は落ち込む。
「『橘』動物好きじゃなかったんだ……。それじゃ、これどうしようかな~? 『白金』
にでもやろっかな~?」
俺はチケットを切なそうに見ながら答える。
「あ~、ちょっと待って! 別に動物が嫌いってわけじゃないの」
「でも苦手なんだろ?」
「うっ、あ~もう分かったわよ。今のは冗談。本当は私、物凄く動物が好きなの!」
彼女はキッパリと答える。
「本当に? 俺に気を使ってない?」
「本当だってば。それに何で私があんたに気を使わなきゃならないの?」
「それもそっか……」
「それじゃ、今度の日曜日、一緒にアニメルランドに行こ?」
「おう!」
俺は力一杯答える。
「なんかあたしが誘ったみたいになってんだけど……」
「細かい事は気にしない、気にしない!」
「それ、あんたが言う?」
「あっ、じゃ待ち合わせ場所はこの前と同じで駅前の時計台の前十時に待ってる」
「分かった」
キ~ン~コ~ン~カ~ン~コ~ン! そして休み時間終了のベルが鳴る。
「それじゃあな」
俺は教室に戻った。
「はあ~、あいつの前じゃ隠し事出来ないな~」
彼女はため息をついて、教室に戻ってきた。
そして日曜日になり、俺は駅前の時計台の前に十時十分についた。
「遅い! 一体何分待たせるの?」
彼女は怒っている。
「ごめん、ごめん!」
俺は謝りながら彼女の前に立つ。
「何してたの?」
「それがさ、俺、昨日から楽しみで、楽しみで眠れなくてさ、時間ギリギリに起きて、出
かけようとしたら急に腹が痛くなって、急いでトイレに駆け込んで……」
「もういい! それ以上聞きたくない!」
彼女は眉間(みけん)にしわを寄せている。
「そう?」
俺は何で彼女が怒っているのか分からなかった。
「それより早く行きましょ?」
「おう、そうだな……」
そして俺達はアニメルランドに向かった。
「よし到着~! なあ『橘』、ライオン見に行こうぜ。ライオン」
「あっ、ちょっと待ってよ」
そして俺達はライオンのいる場所に走っていく。
「見てみろよ『橘』。ライオンだぜ、ライオン! 格好いいな~」
雄(おす)ライオンの髪はふさふさで、岩の上で横たわっており、こちらを見ている。
「そう? だって雄ライオンってさ、雌(めす)ライオンに狩に行かせて、自分は唯待ってるだけ
なのよ。百獣の王とか言われるくらいなんだからさ、自分一人で狩に行って雌に丸々一匹
獲物をプレゼントくらいしろっつうの」
彼女は愚痴を言う。
「あっ、じゃあさ、あっち行って見ようぜ?」
「あっ、こら」
そう言って俺は孔雀(くじゃく)のいる場所に走って行く。
「あっ、孔雀だ! 羽広げてる。綺麗だよな~?」
「えっ~と何々、孔雀が羽を広げるのは主に雄であり、羽を広げるという行動は、主に雌
に求愛するためである」
彼女は近くの看板を読む。
「うお~、あんなに綺麗に羽を広げてるのは、雄の方だったのか? 知らなかった~」
俺は感心する。
「んじゃ雌は?」
「あっち」
俺は彼女が指差す方を見る。
「なんか……地味だな……」
「大体雄の方が雌よりも綺麗ってどういう事なのよ?」
「人間で言えば、男が化粧するって事か」
「却下。そんなの絶対に嫌」
「案外面白いかもしれねえぞ」
「あんたが、そんな事したら、一生あんたとは口利かない」
彼女はキッパリと答える。
「え~、面白そうなのにな~」
そして俺達は次にペンギンを見に行く。
ペンギンはトコトコ歩いてるペンギンや、水の中を泳いでいるペンギンがいる。
「はあ~、可愛いな~」
彼女はペンギンを見て、うっとりしている。
「『橘』ってああいう小っこいのが好きなの?」
「当ったり前じゃな~い! ああいう小さい動物が一生懸命に動いている姿がたまらなく
好きなの!」
彼女は熱く語る。
「ふ~ん、そうなのか~。おっ、こっちにペンギンの説明が書いてある」
俺は看板に書かれている文字を読む。
「えっ~と何々、ペンギンの夫婦は生涯に一度しかパートナーを選ばない。二人寄り添っ
て卵を温める。一方が卵を温めている間、もう一方は飲まず食わずで、何日もパートナー
が帰ってくるのを唯ひたすらに待っている。へえ~、って事はペンギンは他のペンギンに
目移りしたり、浮気したり、再婚とかしないんだ」
俺は感心する。
「偉いよねペンギンは。生涯に唯一人の人しか愛さないなんて……」
彼女は切なそうに言った。
「なんかペンギンって俺みたいだな?」
「はあ~?」
「俺は『橘』以外好きにならないぜ」
俺は力一杯答える。
「……バカ……」
彼女はそっぽを向く。
そして十二時になり、小腹がすく。
「なあ、腹減らねえか? もう昼だからさ、何か食べねえ?」
「そう言うと思って、実はお弁当を作ってきたの。一緒に食べない?」
「えっ? もしかして手作り? 食う、食う!」
そして俺達は近くのベンチに座る。
「はい、どうぞ」
彼女が弁当箱を開けると、その中身は真っ黒いものや、何かベットリとしたもの等が、
敷き詰められていた。
「うっ、これ食えんのか?」
俺は思わず本音が出る。
「見た目はあれだけど、食べたら美味しいって」
「そ、そうか? それじゃいただきます……」
俺は恐る恐る手に取る。
「うっ、ええい!」
そして俺はパクっと一思いに一気に食べる。
「ねえ、どう? 美味しい?」
「……全然美味くない……」
俺は嘘がつけないので正直に答えた。
「そんなはずないよ」
そう言って彼女は、手に取り食べる。
「うっ、不味い……」
「だろ」
「あのさ……こういう時は嘘でも不味いなんて言わないんじゃない?」
「え~、だって俺嘘つけねえし、それともここはお世辞を言わなきゃいけないとこ?」
「もういい……」
そして俺は次の料理に手を伸ばす。
「別に無理して食べなくていいよ」
「大丈夫だって。別に美味くはねえけど、食べられねえ事ねえし」
「それ、結構傷つくんだけど……。まあ、あんたらしいけど……」
「へへ、そっか」
「褒めてない」
そして俺は彼女が持ってきた弁当をたいらげる。
そして昼食を終えて歩いていると、隣の遊園地が目に入る。
「ねえ、ここって動物園と遊園地が合体しているんだね」
「そうだな。なんなら行ってみる?」
「う~ん?」
彼女は考え込む。
「なっ、いいだろ? 行こうよ」
「あっ、ちょっと……」
俺は強引に彼女を隣の遊園地に連れて行く。
そして俺達は隣の遊園地にやって来た。
「やっぱ遊園地っていったら、ジェットコースターだよな」
「あんた、そればっかだね」
彼女は呆れる。
「だって好きなんだもん。なっ、いいから行こうぜ」
そう言って俺は彼女の手を取り、ジェットコースター乗り場に向かう。その途中、彼女
は足を止める。
「どうしたんだよ?」
「ねえ、あそこにあるのってお化け屋敷だよね?」
彼女が指差す方向には、薄暗く小さくただずんでいる小屋がポツンとある。
「あ、あぁ、そうみたいだけど、それがどうかした?」
「ねえ、入ってみない?」
「はあ? 何で?」
「だって面白そうなんだもん」
「あんなとこ入っても全然面白くないって」
俺は力一杯否定する。
「そう言えば、この前来た時も、あんたお化け屋敷をスルーしたよね? もしかして怖い
の?」
「そ、そんなはずねえだろ……」
俺は動揺する。それもそのはず、俺は小さい頃からお化けとか幽霊とかが、怖くて怖く
てたまらないのである。
「だったらさ、入ろうよ?」
「あっ、いや今日はちょっと……」
「やっぱり怖いんだ?」
「こ、怖くないって言ってんだろ」
俺は強がる。
「だったらさ、入ろうよ?」
「あっ、ちょっ……押すなって……」
俺は彼女に背中を押されながら、無理やりお化け屋敷の中に入らされた。
お化け屋敷の中は薄暗く、あちらこちらに仕掛けがある。
