こんな風に生々しくて、いやらしい赤いベッドは初めて見た。
改めて、自分達のしている行為が大人達の底知れぬ欲望と同じものなんだ、と思い知らされる。
その時間が来るのを少しでも遅らせたくて、「窓、あんまり開かな〜い」
と邪気のない声を出す。
「マジ?やっぱ、普通のホテルとは、違うんだ。何が見える?」
順が窓の方に近付いてきた。
一緒になって、殺風景なコンクリートしか見えない景色を眺める。
隙間から覗くみたいにして。
「なんもねえな」
「海とか見えればいいのにね?」
背後に立った順から逃げ出すように、美緒はすっと部屋のドアのそばに置かれたソファの方へ移動した。
後ろから、抱きしめられてはセックスが始まってしまう。
順には、これまで5回抱かれていた。順とキスを交わし、触れ合うことは好きだけれど、その先の行為自体には、なかなか慣れることが出来なかった。
美緒の不審な動きに、順はすぐに気が付いた。
「美緒、緊張してるんだろ?」
くすり、と笑う。
図星を刺されて美緒はドキッとする。
ソファに腰を下ろし俯いて、
「うん…」と素直に頷いた。

