名前を教えてあげる。



「いつもさ、俺たち下のこと気にしてるだろ?美緒も気を使って、声とかあんまり出せないだろ?

ラブホの受付のところに部屋の写真が並んでてね、好きな部屋を選んで、直に入れるから、全然誰にも顔とか見られないようなところ、たくさんあるんだって。

美緒が気にいるような綺麗なホテル、ネットで探すから?」


「え〜?…」


そんな場所は、美緒にとっていいイメージがなかった。

室内で殺された女の死体が発見された、とニュースアナウンサーが言っているのを度々耳にする。

幽霊や怖い話の類は大の苦手だ。


渋る美緒に順は縋るような目をする。


「人類誕生以来、人なんて日本中のどこでも死んでるよ…俺、もっと美緒が感じてるとこ見たい…な?
美緒ともっと深く繋がりたい…」


順は美緒にのしかかり、ゆっくりと首筋に唇を這わせる。こうなると順の願いを断ることなど出なかった。


「…分かった…順が行きたいならいいよ」


美緒はこくり、と小さく頷いた。







「美緒!もうずっとゲーム?目が悪くなるよ!」


2時限目が終わった休み時間。
間柴真由子が窓際の美緒の席に笑顔で駆け寄って来た。