「お願いだから、あなたから身を引いてちょうだい!
あの子にはクリスティンのような子が似合うのよ。
恵理奈のことはうちでなんとかします。
あなたは横須賀の三田村学園に帰りなさい!」
「おばさま….酷い!……うっ!」
何か言おうとした時。
美緒の下腹を、刃物で突き刺されたような激痛が襲った。
「ううう…」
呻きながら、腹を押さえて身体を二つに折る。
「…きゃあああっ!」
叫び声をあげたのはクリスティンだった。黒髪を振り乱し、足踏みをするように暴れ出した。
「な、何⁈どうかしたの?クリスティン?」
春香が慌てふためき、背後からクリスティンの顔を覗き込む。
「お、おばさま!血、血よ!美緒の脚!」
パニックになったクリスティンが美緒の足元を指差す。
「私の脚?」
美緒は慌てて自分のスカートの裾を捲り、覗き込んだ。
「きゃあああ!」
美緒と春香は同時に叫んだ。
美緒の膝丈デニムのスカートの脚の間から、流れ出る鮮血。
それは白いスケッチャーズのスニーカーを生々しく汚し、すでに地面に達していた。

