名前を教えてあげる。



「…順と野原で遊んでいたの。
私達大の仲良しで、お天気がいい日は2人でいつもそうしてた。

そして、クローバーを摘んでいた時よ。

順が急に、
『クリスティン、英語で結婚しようってなんて言うの?』って尋ねたの。

私が『Will you marry me?』よって、教えてあげたら、順が私の薬指にクローバーの茎で作った指輪を嵌めて、

『ウイル、ユー、マリミー?』って言って、私のほっぺたにキスしてくれた……
とても驚いたけど、もちろん私は
『Yes』って答えた…」


クリスティンがはにかんで言うのに、美緒はつい、プッと吹き出してしまった。

見るからに聡明そうなクリスティンの純情さ、幼き日の順のおませなエピソードが微笑ましかった。


クリスティンの顔が強張り、キツネ目がさらに吊り上がった。


「…あ、ごめん。でも子供ってそういうこと遊びでよく言うよね…それを真に受けちゃうなん…」


「遊びなんかじゃない!」


クリスティンは顔を真っ赤にして、片足で地面をだんっと踏み付け、ヒステリックに叫んだ。


「あ、あんたみたいなのを尻軽女っていうのよ!」