名前を教えてあげる。



トイレから戻る途中、美緒は白衣を着た4人のイケメン達とすれ違った。


談笑しながらさっそうと歩く、いかにも育ちの良さそうな彼らは、待合室にいる人々の注目を集めていた。


『ねえ。ずいぶん若いお医者さん達じゃない?』


美緒がソファに腰を降ろして言うと、順は携帯を見たまま、小さく顔を揺らした


『…ああ、インターンだよ。医者じゃない。あれは見習い…ここは大学病院だから』


ふうん、と美緒が声に出すと順は呟いた。


『‥.俺もああいう風になりたかったんだよなあ………』





「私だって、温泉ホテルの就職が決まっていたのに!
まるで私と恵理奈が将来邪魔したみたいじゃん!
何、自分だけ犠牲者みたいに言っちゃってんの?

妊娠してなかったら、私だってピンク色のスカーフ首にお花みたく巻いて
『いらっしゃいませ〜』ってやってた!

酷いよ。いくら仕事で忙しいからって、育児なんかほとんど手伝ってくれないくせに!
こんな大変な時に呑気に免許なんか取りに行っちゃってさ!」


歩きながら、小声でつぶやく美緒の腕を順が取る。


「待てよ……バギー、俺が押すよ」


「いいってば!」


美緒は叫んで、その腕を振り払った。


「あのおっぱいチラ見せ女とイチャイチャお喋りしてたら⁈
悪い気してないくせに!」