「おんなごろし……ププッ…」
つぶやいた後、言葉の響きが可笑しくなってきて、お腹を抱えて1人で笑い出してしまう。
そんな美緒にヒロは一瞬、怪訝な視線を送るけれど、美緒の笑い上戸には、もう慣れっこだ。
「まーた変なこと考えてるな?」
軽く美緒のおでこを弾いた後、すぐに写真に目を戻す。
「変なことなんて考えてないよ〜だ!」
美緒はきゃっきゃとはしゃいだ。
子供の頃から、大人しい子だと言われる自分があまり好きではなかった。違和感があった。
ここで生活し始めてから、生まれ持っていた明るさを取り戻せたような気がする。
「お〜…これはちょっと……」
呆れ果てた顔でヒロが言った。
鈴なりの絵馬をバックに、美緒と順がディープキスをしている写真を指差す。
「あっ、これね、近くの神社に初詣に行った時、セルフタイマーで撮ったの!
元気な赤ちゃんが生まれますようにって、お願いしたんだ」
ヒロはピン、と人差し指で写真を弾いた。
「お前達なあ…こんなの人前で軽くセックスしてるようなもんじゃねえか。
よくこんな写真撮るよなあ…」
「や、やだあ…誰もいなかったよ。
それよか、セ…とか言わないで下さい…乙女の前で」
美緒は真っ赤になった。

