「私のクラスで今ちょっと怪談流行ってて、それで話題の中心になったのがそのお屋敷なの。人が住まなくなって10年しか経ってないのに、見た目すごく古くて廃墟みたいってなって…。私のクラスでは『呪いの屋敷』って呼ぶことにしたんだ。ベタだけどね。んで、一週間前に私入れて7人でそのお屋敷に肝試しに行ったの。定番の丑三つ時にね。何の噂もないから、幽霊も呪いも何もないよねって軽い気持ちで行ったんだ。…………」
• • •
side.愛菜香
7月14日午後11時30分
ル・ポラージュ邸玄関前
「みんなそろったかー?崎谷と鹿沼がまだか。」
↑大垣 之宏(おおがき ゆきひろ)。
愛菜香のクラスE組の委員長。眼鏡で黒髪の正統派イケメン。
「鹿沼はともかく、崎谷が遅れるのは珍しいな。なんか連絡きてない?古井。」
「知らないわ。今日は一緒じゃないもの。」
↑古井 佳加(ふるい よしか)
副学級委員長。生真面目だが、やたら好奇心旺盛。
「ふーん、…雪森。」
大垣君はちょっと考えた後、私をチラッと見た。
「…なに?大垣君。」
「雪森さん、鹿沼に電話してくんね?」
「え?私が?」
「うん。」
(なんでこんなににやついてるんだろ。大垣君。)
「わかった。」
私は携帯を取り出してラインの電話で鹿沼君を呼び出した。
「出ないなー、…あ!鹿沼君?」
『…はっはっ、え?ゆ、雪森さん?!』
「そうだよ、遅いから電話したの。…もしかして走ってるの?」
電話に出た鹿沼君は相手が私と気付いた途端、少し緊張して話し方があたふたしていた。
『う、うん。ごめん、遅刻して。…はっはっ、あと3分もすればそっちに着くから。』
「あっ、そんなに焦んなくても大丈夫だよ。今、崎谷さんも遅れてて、待ってるとこだから。」
『…でも。』
「え?」
「雪森さんに…。あ。」
「ふふ。」
私は携帯を閉じて、鹿沼君の所へ走った。
「遅いよ?鹿沼君。」
「う、あ、ごめん。」
「よし、鹿沼も来たなー。榊ー、お前は吉国を呼んでくれないか?」
「あぁ。」
↑榊 斗真(さかき とうま)
柔道部の大柄な、無口な男子。
榊君はガラケーで吉国君に連絡を取った。
「へぇ、榊ってガラケーなのね。というか携帯なんて持っていないイメージだったわ。」
古井さんは悪気はないようだけど、それって少し失礼に思えた。榊君は気にした様子もなく、ガラケーを手慣れた感じで扱っていた。
♪♪♪…
「「え?」」
榊君が呼び出しボタンを押した途端、屋敷の中から吉国君の呼び出し音の音楽が聞こえてきた。
「まさか吉国、もう屋敷の中に入ってんのか?」
「うへー!?俺絶対無理だわ、こっえーもん!」
「鹿沼は情けねーなー。ま、吉国はホラー大好きだもんな。我慢できなくなったんだろ?」
「でも、勇気あるね…。一人で入っちゃうんだ。すごい、怖そうなのに…。」
「ゆ、雪森さんは俺が…っ。」
「雪森、怖いなら離れるなよ。この屋敷、古いから。」
「うん、ありがと。榊君。」
榊君は普段はすごく無口なのに、こういう所が男らしいと思う。その反面、鹿沼君が肩を落としてるのは何故なのだろう。
「じゃ、行こうか。」
「大垣君、崎谷さんいいの?」
「いいよ、いいよ。佳加、さき行くってラインしといて。」
「了解。」
「中に吉国もいるんなら、少しは安心だな。」
鹿沼君が頭の後ろに腕組みをしながら、私に言った。
「なんで?」
「もし物音とかしても、吉国の仕業だって思えるからなー。」
「なんだ、そういうこと。鹿沼君って案外怖がりだよね。」
「それ言うなよー。意地張って後で怖がるより、こっちの方が少しはマシだろー?」
「マシって?」
「カッコが!」
「なにそれ!あはは!」
「………。」
「榊?…あー、あいつらね。」
「……だな。」
「ん?」
「仲良いんだな。」
「そりゃそうだろー。鹿沼頑張ってるからな。」
「………。」
「………。ほら、行くぞ。鹿沼、イチャついてないで開けるぞ。」
「バっ、そんなんじゃねーし!」
そう言いながら、鹿沼君は私の手を引いて大垣君たちの所へ向かった。その時、榊君に鋭く見られていた気がするけど…。
• • •
side.愛菜香
7月14日午後11時30分
ル・ポラージュ邸玄関前
「みんなそろったかー?崎谷と鹿沼がまだか。」
↑大垣 之宏(おおがき ゆきひろ)。
愛菜香のクラスE組の委員長。眼鏡で黒髪の正統派イケメン。
「鹿沼はともかく、崎谷が遅れるのは珍しいな。なんか連絡きてない?古井。」
「知らないわ。今日は一緒じゃないもの。」
↑古井 佳加(ふるい よしか)
副学級委員長。生真面目だが、やたら好奇心旺盛。
「ふーん、…雪森。」
大垣君はちょっと考えた後、私をチラッと見た。
「…なに?大垣君。」
「雪森さん、鹿沼に電話してくんね?」
「え?私が?」
「うん。」
(なんでこんなににやついてるんだろ。大垣君。)
「わかった。」
私は携帯を取り出してラインの電話で鹿沼君を呼び出した。
「出ないなー、…あ!鹿沼君?」
『…はっはっ、え?ゆ、雪森さん?!』
「そうだよ、遅いから電話したの。…もしかして走ってるの?」
電話に出た鹿沼君は相手が私と気付いた途端、少し緊張して話し方があたふたしていた。
『う、うん。ごめん、遅刻して。…はっはっ、あと3分もすればそっちに着くから。』
「あっ、そんなに焦んなくても大丈夫だよ。今、崎谷さんも遅れてて、待ってるとこだから。」
『…でも。』
「え?」
「雪森さんに…。あ。」
「ふふ。」
私は携帯を閉じて、鹿沼君の所へ走った。
「遅いよ?鹿沼君。」
「う、あ、ごめん。」
「よし、鹿沼も来たなー。榊ー、お前は吉国を呼んでくれないか?」
「あぁ。」
↑榊 斗真(さかき とうま)
柔道部の大柄な、無口な男子。
榊君はガラケーで吉国君に連絡を取った。
「へぇ、榊ってガラケーなのね。というか携帯なんて持っていないイメージだったわ。」
古井さんは悪気はないようだけど、それって少し失礼に思えた。榊君は気にした様子もなく、ガラケーを手慣れた感じで扱っていた。
♪♪♪…
「「え?」」
榊君が呼び出しボタンを押した途端、屋敷の中から吉国君の呼び出し音の音楽が聞こえてきた。
「まさか吉国、もう屋敷の中に入ってんのか?」
「うへー!?俺絶対無理だわ、こっえーもん!」
「鹿沼は情けねーなー。ま、吉国はホラー大好きだもんな。我慢できなくなったんだろ?」
「でも、勇気あるね…。一人で入っちゃうんだ。すごい、怖そうなのに…。」
「ゆ、雪森さんは俺が…っ。」
「雪森、怖いなら離れるなよ。この屋敷、古いから。」
「うん、ありがと。榊君。」
榊君は普段はすごく無口なのに、こういう所が男らしいと思う。その反面、鹿沼君が肩を落としてるのは何故なのだろう。
「じゃ、行こうか。」
「大垣君、崎谷さんいいの?」
「いいよ、いいよ。佳加、さき行くってラインしといて。」
「了解。」
「中に吉国もいるんなら、少しは安心だな。」
鹿沼君が頭の後ろに腕組みをしながら、私に言った。
「なんで?」
「もし物音とかしても、吉国の仕業だって思えるからなー。」
「なんだ、そういうこと。鹿沼君って案外怖がりだよね。」
「それ言うなよー。意地張って後で怖がるより、こっちの方が少しはマシだろー?」
「マシって?」
「カッコが!」
「なにそれ!あはは!」
「………。」
「榊?…あー、あいつらね。」
「……だな。」
「ん?」
「仲良いんだな。」
「そりゃそうだろー。鹿沼頑張ってるからな。」
「………。」
「………。ほら、行くぞ。鹿沼、イチャついてないで開けるぞ。」
「バっ、そんなんじゃねーし!」
そう言いながら、鹿沼君は私の手を引いて大垣君たちの所へ向かった。その時、榊君に鋭く見られていた気がするけど…。



