1.23 この日の事をもう二度と私は忘れない。 初めて、君と出会った日であり、君に恋した日… 「受験番号701〜708の人は移動します」 引率の先生に導かれて通り過ぎて行く七人の男女を見送りながら、 受験番号714 大原 瑠昂 机の右上に置いてある受験票を見つめる 「早く終わらせて帰りたい」 緊張と暇な時間から、一刻も早く解放されたい私は、前を通り過ぎようとする人達に羨ましげな視線を送る その視線に気づいたのか、それとも偶然なのか、五番目を歩いていた背の高い男の子と目が合った。