「いったーい!
投げ込まなくても、ちゃんと乗れるよー!」


雑に扱われた事に腹が立った私は、投げ込んだマネージャーさんに文句を言った


「次の収録までにあと1時間しかないのよ!片道30分にヘアメイク20分、挨拶まわりだってあるのに、のんびり歩かれたら困るのよー!」


そう言って乱暴にアクセルを踏んだ、マネージャーの井上さん。
綺麗だけど、サバサバしていてデキる女って感じのひと。

ちなみに私は、新人アイドルの黒木杏。
本名は黒木杏樹だけどねー


「ははっ、私がのんびりしてても井上さんが車を飛ばすから、いつも余裕じゃん?」


信号が赤に変わっても、普通に通るし
速度制限なんて知らないほどの速さではしるから
いーっつも一番のりでスタジオに入る。


「はぁ、できれば安全運転で行きたいんだけど…」と溜め息を吐く、井上さん


「ふふっ、次も頑張るかぁー!
あといくつくらい?仕事。」

「今から行く、バラエティーが1本
その次、雑誌の取材が2社
最後に、ラジオの収録が1本。」

「そっかぁ、今日も疲れるねぇ」


これでも、この半分以上は仕事をしてきた。
今16時前だから…


「23時には寝れそうじゃーん!」


最近は日付が変わらないと寝れなかったから、ラッキー♪