ピピピピ、ピピピピ、電子音が部屋に響き、脇に挟まれた体温計を抜いた。


「うわ、39.4℃」


まずい、長ネギ云々とかで誤魔化せる範疇を越えている。

貼ったばかりの熱冷まシートを触ってみると、湯気が出てきそうな位熱かった。

気休めかも知れないけど、貼り直しておく。


「……華…火」


聞こえるか聞こえないかという程度のボリュームで、大家さんのか細い声が聞こえてきた。


「大丈夫ですか、大家さん」

「リビングの引き出しに風邪薬入ってるから、それ持ってきて……」

「風邪薬ですね、了解です!」


言われた通り薬を取ってきて、裏の説明を読む。


「!………食後、か」