長いような短いような日曜日が終わり、私は健全な高校生らしく、普通に登校した。

チャイムが鳴る2分前、余裕の表情で教室に滑り込む。


「おー、華火やん。おは、今日も遅いなあ」

「むっちゃんおはー」


一番廊下側の最後列。

遅刻ギリギリでも問題なし、さらに何してもあまりバレないという、至高にして最高の席だ。

くじでこの席を当てた時は、クラス中から羨望の眼差しを向けられた。


「お父さん見つかったん?」

「ううん、全然。携帯もずっと切られてて」


お掛けになった電話は、現在電源を――…。

耳にこびりついた電子音声が、勝手に脳内再生を始める。