「華火もダメだよ、さっきみたいな顔したら。俺だったから良かったものの、他の男ならどうなってたか……」


一転、説教じみた口調になり、私は呆然と大家さんを見つめる。


「いやぁ、でも、今のはちょっといい感じだね。使えそうだ」


大家さんは胸ポケットからメモとペンを取り出し何かを書き始めた。

私は何も言えないまま、ただじっとする。


「はーい、終わりでーす」


係の人にドアを開けてもらい、私から先に出た。

後から付いてきた大家さんは走らせていたペンを止め、元のポケットに戻す。


未だに体は熱を持っていて、さっきの状況がリアルにフラッシュバックした。


―――――――大家さん回る観覧車。


回ったのは私の頭だ。