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「でもすみません、ほんとに買ってもらっちゃって良かったんですか?」
「いいの。今日の目的の1つに、華火をおめかしさせるっていうのがあるんだから」
「初耳ですけど」
「初めて言ったもん」
買ったばかりの洋服に身を包んで、私達はエスカレーターに向かっていた。
何だかんだ言って、大家さんが服を買ってくれたのだ。
「……ありがとうございます。相当高かったですよね?」
まっ白いワンピースは上質な手触りで、素人目で見ても、かなり値が張る物だと思う。
膝丈くらいのフレア素材になっていて、歩くと裾がヒラヒラするのが可愛らしい。
店員さんも、あの店では珍しく『可愛い』商品だそうだ。
「女の子はそういうの気にしなくていいんだよ。それに、彼女を着飾るのは男のロマンだし」
「…うぃっす。ありがたくいただきます」
