助手席に座る知らない女性を想像して、

ほんの少し胸の奥がズキンと痛んだ。


………初めて会った時、隣に連れていた綺麗なヒト。


あの日以来、あの眼鏡美人には会っていない。

彼女かな、それとも仕事仲間とか?

でも二人が歩いて行く方向には、それこそホニャホニャするようなホテルがある夜の街だし……。


「――火、聞いてる?」

「ぺふっ、き、聞いております!」


正体不明のもやもやに心を埋め尽くされそうになっていたら、大家さんの呼び掛けで現実に引き戻された。

車の外は見慣れない道だ。

隣で運転する大家さんに慌てて返事をする。


「今日の趣旨説明するよ。今日はこれからね、大型ショッピングセンターに向かいます」

「へ?」

「そこで色々な物を買うのが華火のミッションね」


わかるようなわからないような目的に、私は首を傾げた。

それが『体』で払うになるのか……。


「それじゃ、張り切って行ってみよー」



―――――代償はショッピング。