「な、なんですか。何したらいいんですか」


ぴたり、と、大家さんの目線が私の下半身辺りでとまった。

まさかほんとに、言葉通り『カラダ』で払わされるんだろうか。

警戒心から一歩後ずさると、大家さんは顔を上げて口を開いた。


「華火、それ中学の頃の?」

「あ、はい」


緑色の布地に白いラインが入ったジャージは、私の母校の物だ。

頷いた私を見た大家さんは、笑顔を顔に貼り付けたまま、家の中を指さす。


「5分以内に出掛けられる格好に着替えてきなさい」


有無を言わさぬ謎の圧力に押されて、私は首を縦に振った。