「…腹減った……甘いもの食べたい……お風呂入りたい……汗つらい…」


セミの鳴き声が嫌になるほどうるさい午後1時。

太陽が私を容赦なく焦がそうとしてくる中、公園のベンチで欲望を口にしてしまっていた。


木陰がないくせに『緑ヶ丘公園』なんていうふざけた名前の公園だ。

第一樹がないのにどこからセミが鳴いているのか。


「…じゃなくて、ご飯だよご飯」


お父さんの勝手すぎる逃亡から丸3日が経とうとしていた。

手持ちのお金でなんとか食いつなぎ、コンビニと公園を転々とし、夜の数時間だけ漫画喫茶で寝る。

何が楽しくて、17才のうら若き乙女がこんな生活をせにゃならんのだ。