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ごめんむっちゃん。でも今回は私のせいじゃないんだよ。
自室のベッドの上でむっちゃんに懺悔をしながら、飾られたネックレスをぼんやり見る。
勇気を出してピンポンしたのに、大家さんは出てこなかった。
どこかに出掛けたんだろう。
「見たよね、郵便受け」
入ってた合鍵を見て、大家さんはどう思ったのか、なんて、考えてもしょうがない。
大切に飾ってあるのは、大家さんに買ってもらったアクアマリンのネックレスだ。
私の誕生石で、込められているのは、
「深い愛情、ね」
あの時の言葉を思い出しながら口に出す。
きっと他意なんてないのに、ただの宝石言葉なのに、それに大家さんの想いがこもってるなんて、
我ながら馬鹿馬鹿しい期待だ。
だって、当の本人には彼女がいるのだから。
