「すっごく、美味しい」





「本当ですか?!」

「うん。隠し味はちょっとびっくりしたけど、慣れたらクセになる美味しさだよ」


こいつはうまい、ともりもりお粥を食べる大家さん。

心がぐんぐん満たされていくようで、私もつられて笑顔になる。

その時、お腹からブーイングの音がした。

そういや結局何も食べてないな。


「お腹空いた?」

「あ、はい」


ゴタゴタが色々あって忘れてたけど、私お腹が空いたからここに来たんだった。


「大丈夫です、私もお粥食べるんで!」

「いや!!!それはやめようか!!!」


自分の分もよそって来ようと立ち上がると、大家さんの制止が入る。

別にまだたくさんあるからいいと思ったんだけど…。