「…………いける!」


士気は十分、前回の紅茶のように、全くわからないわけじゃない。

当時の手順を思い出しながら、私のお粥作りはスタートした。


▼△▼△▼


「な、なんとかできた……」


40分後、沸々と泡立つのを確認して、コンロの火を切る。

予定より少し時間はかかったけど、完成にはこぎつけた。

乳白色の見た目といい、どろりとした感触といい、鼻にくるきつい酸臭といい、どこをとっても完全完璧なお粥だ。

米粒が溶けてなくなるほどよく煮込んだから、のど越しも抜群に違いない。

匂いからして、隠し味もばっちり効いているようだ。


大家さん、喜んでくれるかな。


小さめのお皿にお粥をよそい、スプーンを添える。

とろろに引けをとらない程の粘度も、あの時のお粥を忠実に再現できていた。

文句なしの成功だ。