高校生になって、もう1ヶ月が経った。
「零織(レオ)、学校行こうぜ〜」
朝の10時過ぎ、家に親友の前原 絢斗がやってきた。
眩しいくらいの金髪に緩いパーマを当てている絢斗は、制服もお洒落に着こなしている。
私服もお洒落だからなぁ、こいつは。
そんなことを寝ぼけた頭で考えてる俺は、綾瀬 零織。寝癖をつけた何の洒落気もないただの男だ。
「てか、今日は学校行かないぞ」
煙草を咥えて火をつける。
その動作を終えた俺の視線は、絢斗に向く。と、絢斗は心底不思議そうに俺を見ていた。
「……なに?」
「いや。なに?じゃねえし。何で学校行かねえの?さすがに単位やばいぜ?」
「分かってるけど、何かだるいもん」
天気だって曇りだぞ。動く気にならない。