「落ちましたよ。」

後から声をかけられて振り返る。

私の前に差し出された大事な受験票。

今日は人生でトップ5にはいるくらい大事な日!!!!

今日はあの有名な東命高校(とうめいこうこう)を受験する日なのです!

「あ。すみません!!!ありがとうございます!」

そんな大事なものを落としたなんて気づかなかった…

「いえ。…よかった。」
と親切な彼は言った

それだけいうとスタスタとすぐに人ごみに消えていってしまった。

見た目からすると高校生くらいだとおもう。
彼が拾ってくれてほんとに良かったと伝えた言葉より数倍の感謝の気持ちを後ろ姿に送った。