「ない…」

「ある!」

「ない…」

「あるのぉ!」


ないない…とぼやくニービスに、短く反論するイル。


「ぜぇったいあるのぉ!」

一生懸命探すその姿に、ニービスは少し拗ねた顔をした。


「そんなに大事なのかよ」

「だってあげるんだもんっ!誕生日なんだもんっ」

「…それだけ好きなのか??」

「好きよっ、だから探すの!」

「…ふぅん」


それから二人は、探しに探しまくった。

そして…



「あった!」

ニービスがそれを天高く掲げた。
「やったあぁあぁ!!」

ガシッとそれをもぎ取るイル。



さっそく駆けていく。



「ありがと、ニービス!」



振り返ったイルはニービスににっこり笑うとまた走って行った。



「…いいなぁギルクさん」


イルの想い人はニービスにもバレていた…。