「ん…んう…ん?」


ふと感じた違和感に、眠りに落ちていたアレンは眉を潜め少し唸った。


嫌そうに顔を背け、また寝返りを打とうとする。



「わあっ、アレンふにふにっ」


一方アレンがそんな反応をした原因であるレイは、一人ハイテンションになって目を輝かせていた。




─…むぎゅ、ふに、ふに。


─…ふに、むぎゅ、ふに。





「………………いひゃい」



さすがにこれには目を覚ましたらしい。


レイに頬っぺたを軽く引っ張られながら、アレンがうっすら碧を見せた。



彼が起きたことに更に嬉しくなったレイは、笑顔満開で「おはよう」と挨拶する。



「……はよ、てか、何」


「え?何が??」


「いひゃい。頬っぺ引っ張んら」


引っ張んな、と言いたかったのだろう。


上手く発音出来ずきちんと言えなかったアレンの言葉の意味に気付き、レイはすぐに彼の頬を引っ張る指を離した。


しかし今度は引っ張るのではなく、ふにふにと楽しそうにつつく。



「……だから何」


「何が?」


「頬っぺいじりすぎ…」


「だってアレン、あなたの頬っぺたってすごくふにふに!化粧水でも使ってるの?」


「…使ってない」



男がなんでんなモン使うんだ、と寝ぼけ眼な半目でアレンは訴えた。