「ほら、お前が風邪引いたら意味ないだろ。医者なんだから」


床に投げ捨てられていた白衣を肩にかけてやり、マケドニスは隣に座る。



「ったく酒あんま強くないくせに飲むなよ」


「弱くないわよ~ぅ。マケドニスが弱いんでしょ~ぅ」


「俺が酔うのは船だけだよ」



そう冗談を言ったマケドニスは、ニヤッと笑ってクナルからワインを奪うと一気に飲み干した。


クナルはその様子をジッと見ている。



「真面目なくせにそーゆうところはアレねぇ」

「アレ?」

「そうよ、何だったっけ…忘れたわ」

「……………。」



とりあえずマケドニスはグラスをローテーブルに置いた。