はらはらと雪が舞い落ちる夜。
───今日はホワイトクリスマス。
「綺麗ね」
コポコポとグラスにワインを注ぎ、クナルが言った。
「寒い」
うっとりしているクナルとは対照的に、一緒にいるマケドニスはうんざりした顔。
二人がいるのは、マケドニスの部屋。
最上階にあるこの部屋から見える景色は、最高と呼べるものだった。
しかしマケドニスは関係ないとばかりにベッドで丸まっている。
「なーに言ってんのよ、わっかいくせに~」
「…クナル、わかったから窓は閉めてくれ」
マケドニスが丸まっている理由はそれだった。
さっきから雪を見たクナルが窓を全開にしてワイン片手にはしゃいでいるのだ。


