二人は目を丸くして私を見た。
エニスが眼鏡をあげながら口を開く。
「ユナル、アレンは誰にも言うなって言ってたじゃないか」
その言葉に私はヒートアップ。
「でも、駄目よ!言わなきゃ終わらないわ。アレンがかわいそうよ!!
一人だから抵抗出来ないの知ってて、それで大勢で押し掛けるのよ?
あり得ない!」
「あたしはユナルに賛成っ!あたしもついてくぅ!!」
スーリンは私の考えに同意してくれた。
もうエニスが止めたってやめないんだから。
いくら好きな人でもこれだけは譲れないわ。
その肝心なエニスは困ったように私たちを見ると、溜め息をついた。
それから、頷く。
「……わかった。俺も行く」
──…そうして、私たちは直に私のお父さんにアレンのことを伝えた。
お父さんなら街庁の人たちを止められるから。
お父さんは苦い顔をして、それは誰にも言っちゃいけないぞと言った。
アレンの為に。
そんなことを広められたら、かわいそうだからって。