結局その日はアレンに言われ、彼の怪我の治療だけして帰った。
……なんだか心配。
アレンは一度家で倒れて、病院に運ばれたことがあるから。
その時の怪我は酷いものだった。
打撲に切り傷。
アレンはあの時は、リフォレの森に行って獣と戦ったとか言ってたけど。
今になって思う。
あの頃から、大人から虐待みたいな暴力を受けてたんじゃないかって。
「……ねぇエニス、スーリン」
「ん?」
「なぁにユナルー??」
翌日の放課後、やっぱりまた来なかったアレンの家に行く前に、私は二人に言った。
「私、お父さんにこのこと言うわ」