「………先生って、アレンに負けちゃったあの…えっと、剣士の先生?」


スーリンがこれまたストレートにアレンに訊いた。



ていうか先生の名前覚えてないのね。


…………私もだけど。




アレンは無言で頷いてついてこいとばかりに廊下を歩く。


もちろん私達も行くわけで。



そうしてたどり着いたのは、リビング。




「……これ、昨日の紙」



言葉少なに言ったアレンが差し出したのは、確かに昨日私達が届けた紙。


内容を読んでみると、酷いものだった。



「何コレ…!名誉を傷付けられたから100万¢寄越せって…。」



親のいないアレンにそんな大金払えるワケない。



それをわかってて、こんなことしてるの?




この街の、私達の住んでる街の、大人の人が?