「何かしら」
私も気付いてそれを睨む。
黒服の大人が五人くらいの集団でこっちに向かって来た。
何となくだけど…、見たことある?
「アレン、あれ何か知ってるか??」
エニスがまた振り返って聞いた。
「…さぁ。ここ通りすぎるみたいだし早く帰ったほうがいいと思うけど。」
「ほんとね、こんな時間に何してるとか言われそう」
「ユナル…何のドラマ?」
静かにエニスが突っ込んできた。
めずらしい…。
じゃ、なくて。
「じゃあなアレン。ほら、ユナル、行こう」
私が言おうとしたら、エニスが先に言ってくれた。
「うん、バイバイ」
アレンの笑顔を最後に見てから、私たちはそそくさと帰った。
だって、怖いし…。
エニスが家まで送ってくれて、幸せ絶好調だったんだけど。
私は知らなかった。
私たちが帰ってから、アレンが安堵の溜め息を漏らしていたことを。
そして、あの集団の目的も────。


