「馬鹿馬鹿馬鹿ぁ。ギルクのアホッ」
家に戻るなりクッションに八つ当たりしだしたイルはまだ小さな弟が自分を見ているのも気にせずに悪態をついた。
いつか、ギルクに好きな人がいるのか聞いたことがあった。
そしたらギルクは照れながら、
「超美人でナイスバディな子がいてよ~、大人っぽくていいんだよな~」
と、その存在を明らかにしたのだ。
(ふんっ、どうせあたしはガキでチビだもん!)
未だにお子様ランチが大好きなイルはしまいには拗ねて弟に八つ当たりしだした。
「いたいよぅ、くっしん投げないで!」
「くっしんじゃない、クッション!」
訳のわからない喧嘩を始め、勝利を掴んだイルはパパからたんこぶをもらって外に遊びに行った。