「…あと少しで、一段落つくんだ。そしたら…」


そこで“おにいさん”は立ち止まった。




「おにいさん?」


「…レイちゃん、あっち見てごらん。」



レイは“おにいさん”の指差す方向に首をまわす。



抱っこされて高くなった視界の中に、それを見た。




「ママ!パパ!」

「レイ!」



両親は急いで“おにいさん”とレイのもとへ駆けてくる。


そして、“おにいさん”を見てかなり驚いた。




「勇者様!」



「えっ、ゆうしゃさま?」



レイも驚いて自分を抱き上げる“おにいさん”を見た。